320. 塾講師をしていたころの失敗話と工夫の話
大学院生のころ(もう、20年前になるとはびっくり)の話ですが、僕は塾講師のバイトをしていました。その塾は、いわゆる個別指導ってやつでして、僕の担当は高校生でした。科目は、物理と数学。
娘がオンラインで塾の講座を受けていたのを横で見ていて思い出したので今日はこの頃のことしかも失敗談について書きましょう。
僕が昔通っていた塾は、いわゆる講義スタイルのものだったので、先生があらかじめ用意した授業内容を聴講するというものでしたが、僕がアルバイトをしていた塾というのは個別指導のスタイル。しかも授業ってスタイルではなく、どちらかというと質問されるというスタイル。
これがすごく厳しかった。。。
どういうことかというと、
その日、その時にならないと何がやってくるかが全くわからないのです。
高1や高2くらいならなんとかなるのですが、高校三年の受験生となるとこれが恐ろしいわけです。彼らにとってはこちらは先生ですから、「聞けば教えてくれる」というラベルがついています。
でも・・・でもですよ。
突然、東大の数学の過去問を持ってこられて、「先生、この問題よくわかりません」と言われても、正直
「すみません、こちらもよくわかりません」
でした。だってそうです。もしわかれば、僕は東大にいたかもしれないのです。しかしながら、残念ながら僕は東大にはいけませんでしたし、大学時代に遊んでおります。すみません、生徒さん。という感じだったんです。
一度物理でクレームを受けました。当時は早かったと思うのですが、今で言うオンライン面談のような感じでの説明。当時のシステムなので、相手の顔は見えずこちらの板書だけが共有される。相手の顔はみえないという中で、問われたのは、京都大学の物理の問題。「等電位」とかの問題だったと思います。
いきなりだったので、
あれ?どうやって解くんだったっけ?公式は覚えているけど・・・
あれ?問題の意味がわからん・・・
うわどうしよう
となりながら、解説をしようとしますが、自分でも何を言っているかわからなくなり、どんどん時間は経過し、「はい、おしまい」。
はい・・・生徒からクレームきましたよ。
怒られましたよ。
講師としては失格状況でったと反省しました。。。が、・・・でも、言わせてください。解けたら京大に行っております。すみません、学力が足らんのです。。。僕の。。。。
となりながらもなんとかきちんと講師としてやりきろう。でもそこまで学力が足らないという間で悩み悩みぬいたすえ、たどりついたやり方がありました。
生徒はすんごい問題を持ってきます。その時に、こう言うことにしてみたのです。
「あー、こう言う問題はさぁ、解き方がいっぱいあるんよねぇ。あとで復習しやすいように、模範解答の解説をしよう。見せてごらん」
これです。模範解答の解説ならなんとか勉強をしておけば、できます。模範解答をなるべくわかりやすく言葉を変換しながら伝えることにしたのです。逃げのような方法とも考えましたが、ここでは模範解答を理解させるという方向で生徒の学習につなげました。
このやり方はうまくいって、この方法で彼らは手元にある問題集で理解が深まっていったようで、彼らの学力は増えたようでよかったです。ほ。
受験に無事に受かった子たちもいたので、すごくよかったと思ってます。
今から振り返れば、自分に対して実力以上のラベリングが付けられていたということになりますが、身分不相応のラベルを与えられた時も工夫一つでなんとかなる経験をしたという話でした。(思いの他、長くなった笑)