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連続的、俯瞰的に見ることで感じる音楽座ミュージカルの魂のありか…★コンサート評★【コンサート=SO-KATSU(2019)】

 音楽座ミュージカルは日本発のオリジナルミュージカルを中心として、数々の作品を生み出してきた。しかも新作だけではなく、多くの作品を磨き上げて劇団のレパートリーとして定着させる再演もたびたび行って来た。実験的な作品にも果敢に挑戦する集団である。ひとつひとつの作品は知られていても、そんな音楽座ミュージカルの作品を横断的に見て、その歴史を感じられる機会はめったにない。その貴重な機会が、去る3月についに実現した。コンサート形式で上演されたステージ「SO-KATSU」は、昨年開催された「ふたつのマドモワゼルモーツァルト」に続く「Ongakuza Musical Concert」の第2弾として企画された。俳優でもある司会者が音楽座ミュージカルの歴史をウィットに富んだ表現で紹介するのに合わせ、レパートリー作品のハイライト部分を次々と上演していく様は、レビューショウやガラコンサートのような趣きもあって、ファンにとっては最高に贅沢な時間。しかも歌やダンス、そしてせりふのやり取りなど演劇のすべての要素が散りばめられた場面の数々は、日本のミュージカルの発展を俯瞰的に見るような視点も私たちの中に生み出し、ミュージカル界にとっても大きな収穫となったと言っていい。何より、いくつものパフォーマンスを連続的に見ることで、音楽座ミュージカルが目指している魂のありかのようなものを感じさせてくれたことが、この斬新な企画の最大の功績だろう。(舞台写真提供は音楽座ミュージカル)
 コンサート「SO-KATSU」は3月23~24日に東京都町田市の音楽座ミュージカル芹ヶ谷スタジオで上演された。公演予定はすべて終了しています。

★音楽座ミュージカル公式サイト

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