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★最新レポート★【Report】 ミュージカル「モーツァルト!」開幕迎えキャストが意気込み(2018)

 2002年の日本初演以来、井上芳雄や中川晃教、山崎育三郎の奮闘で人気ミュージカルに成長してきたミュージカル「モーツァルト!」の3年半ぶり再演公演が5月26日に東京・丸の内の帝国劇場で開幕した。帝国劇場では、初日を目前に控えた5月25日、山崎育三郎・古川雄大のモーツァルトコンビをはじめ、妻となるコンスタンツェ役トリプルキャストの3人、平野綾、生田絵梨花、木下晴香が舞台衣装を着けての稽古の合間に報道陣の囲み取材に応じた。舞台装置をまるごと変更新設し、衣裳の一部も新装されるという大きな変化に加え、新曲も追加されたことを明かした山崎は「かなりブラッシュアップされています。新しい作品の初演に挑むような気持ちで稽古してきました。さらにパワーアップしたミュージカルになっています。日本を代表する作品だと思うので、ぜひ劇場に体感しに来てください」と強い意気込みをあらためて表した。
 ミュージカル「モーツァルト!」は、5月26日~6月28日に東京・丸の内の帝国劇場で、7月5~18日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで、8月1~19日に名古屋市の御園座で上演される。

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★ミュージカル「モーツァルト!」公演情報
http://www.tohostage.com/mozart/

 ミュージカル「モーツァルト!」は、ミュージカル「エリザベート」で知られる脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ、作・編曲のシルヴェスター・リーヴァイの黄金コンビが共同で製作し、1999年に初演したいわゆる「ウィーン発ミュージカル」である。
 日本では2002年に初演され、クンツェ&リーヴァイと関係の深い小池修一郎が演出を務めている。2007年までは井上・中川がWキャストで主人公ヴォルフガングを演じてきた。山崎は2010年から加わっている。

 幼いころから天才と呼ばれたモーツァルトが、父親のレオポルトや仕えていたコロレド大司教との確執に悩みながらも、名声と自由を求めてたどり着いたウィーンでの苦闘の日々やコンスタンツェとの出会いと結婚が描かれていく。
 「才能の化身」であるアマデが常に寄り添いながら、音楽とまっすぐに向き合っていくヴォルフガングの姿をその苦悩とともに多彩に綴っている。

 今回は3度目の山崎と前回からの平野綾に加え、ヴォルフガング・モーツァルト役に新たに古川雄大、妻のコンスタンツェ役にも新たに生田絵梨花、木下晴香が初参加した。

 23歳で臨んだ初演時の様子を製作発表で「初日には緊張で足が震え、スタッフに背中をたたかれたことで舞台に飛び出せた」と振り返った山崎はこの日も「初演は苦しさだけしかなかった」と話したが、「32歳になって自分の中で腑に落ちる部分も出てきたし、見える景色が変わるのではないか」と経験による効果に期待を寄せる。3度目のモーツァルト役となる山崎は「ヴォルフガングとして生きられている実感が前よりあります。違う自分が見せられるのではないかと思っています」と自信ものぞかせる。
 そんな山崎に平野は「引っ張っていってくれるので、本当に尽くしたくなります。座長としても頼りにしています」と、古川は「大人の余裕が前以上に増していますね」と山崎の充実ぶりを語し、2人とも大いに刺激を受けている様子だった。

 山崎は初モーツァルトとなる古川を「こんな美形のモーツァルトはいません」と称え、「雄大は今までにない新しいヴォルフガングを作っています。彼の演技に心動かされています」と強い刺激を感じていることを明かした。
 「嫉妬を感じませんか」と報道陣に問われると、「(雄大は)顔がちっちゃいから、写真を撮るとき少し(古川を)前に出したりしてね」とジョークを飛ばしつつも、「僕(のモーツァルト)とは別物なので、楽しんで演じてもらえたらいいです」と古川らしいモーツァルトの誕生を心待ちにしている様子をうかがわせた。

 「なるべく帝劇初演ということは考えないようにしています」と帝劇初主演を必要以上に意識しないようにしているという古川の様子は、山崎には「ひょうひょうとやっている」ように見えているようで、自分で塩結びを握って食べている古川の様子を紹介。古川は「とてもハードな役なので食べるようにしています」と微笑んだが、具入りではなく塩結びである理由について「本番を控えていると、味のあるものがのどを通らない時があるので」と明かすと、報道陣からは「繊細!」と驚きの声が。山崎らは「彼はスーパー繊細なんです」と稽古期間を通じて共演者らも古川の繊細さに気付いていることを語り、ストイックでクールな表情からはうかがい知れないプレッシャーが古川にもかかっている様子を感じさせた。
 稽古中に山崎から多くの助言を受けている古川は印象に残ったアドバイスを明かした。
 それは「ヴォルフガングは一度ステージに立ったら導いてくれる」「導かれつつも、そのときどきで出会う人との関係性や感情を大事に」となかなか意味深い言葉だったようで、古川は「稽古ではアドバイスを活かせるように集中して臨みました」と話した。

 前回に続きコンスタンツェ役を務める平野は、「4年前とまた違った顔が見せられるのではないかと楽しみにしています」と、初挑戦だった前回にはなかった余裕の中から生まれる新しい自分に期待する。
また、初参加の木下はやや緊張気味だが、「稽古で先輩方に教わっていくなかで不安を解消してきました」と進歩を実感している様子。「ここまで来たら思い切って演じたい」と覚悟を決めている。
 アイドルグループ「乃木坂46」の人気メンバーでもある生田が製作発表会見で「これまでホワイト系のヒロインが多かったですね」と自己分析していたように、「ロミオ&ジュリエット」のジュリエットや、「レ・ミゼラブル」のコゼットなど清楚で可憐な役柄が多かった生田。今回「悪妻」と言われることもあるコンスタンツェのキャラクターを「始まる前は、(自分と)180度違うと思っていたんですけど、稽古が進むにしたがって身近に感じて、共感できる部分が出てきました」と説明。稽古を通じてコンスタンツェ役への思いを新たにした様子。その影響はかなり表れているようで、「グループ(乃木坂46の活動)に戻ったりすると、多少姿勢が乱れていて注意されたり、ちょっと喋り方がいつもよりトーンが落ちていたりとかしています」と微笑んだ。「相手との向き合い方など今までにないことを感じられたので、本番も周りの方々を信じてやっていきたい」と稽古での成果を本番に活かすべく気合を込めた。
 モーツァルト役の山崎は「コンスタンツェが変わると、お芝居も変わったものになる」と語り、トリプルキャストの木下、平野、生田三者三様のドラマが生まれることを示唆した。

 山崎によると、稽古の初日に演出の小池は赤いジャケットを着て登場したという。「小池先生は『赤には生まれ変わるという意味がある。僕も新しい気持ちで挑む』とおっしゃいました。その先生の強い思いから稽古が始まりました。さらにパワーアップしたミュージカルになっています。日本を代表する作品だと思うので、ぜひ劇場に体感しに来てください」と力強く語った。

 ミュージカル「モーツァルト!」は、5月26日~6月28日に東京・丸の内の帝国劇場で、7月5~18日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで、8月1~19日に名古屋市の御園座で上演される。

★チケット情報=最新の残席状況はご自身でお確かめください。
東京公演
http://www.tohostage.com/mozart/ticket.html
大阪公演
http://www.umegei.com/mozart2018/
名古屋公演
http://www.misonoza.co.jp/lineup/month8.html

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