見出し画像

ドライな選択の上に弾ける最高にホットな関係、鈴木拡樹の知的でシャープな感性と、殺し屋兼業ヒロインを深刻ぶらず演じ抜く佐々木美玲の大胆な表現に脚光…★劇評★【ミュージカル=SPY×FAMILY(鈴木拡樹・佐々木美玲・福地美晴・瀧澤翼・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)】

 人間とは居場所を求めてさまよう生き物だ。子どもなら、放課後に居る場所、若者なら自分を認めてくれる(あるいほったらかしにしておいてくれる)場所やグループ。どんな年齢になっても自分が過ごす場所は必要だ。かつては家庭や家族がそれを担っていたはずだが、それも希薄になってしまった現代では疑似であろうとも家族というかたちを求める人たちがいる。だからこそ疑似家族を扱った作品が増えているのだろう。しかしながら、大人気漫画でアニメも好調なコンテンツの初のミュージカル化作品として大きな注目を集めているミュージカル「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」という物語は、一見疑似家族の絆の物語かと思わせる余地を残していながら、その実、居場所という意味合い以上に、自分が置かれている立場、立たされている状況、生きていくための方法として「家族」というかたちでそれぞれの役割を背負った夫、妻、娘が一緒にいるドライな選択の上に成り立っている。設定の時代は不詳なので、ドライさが現代性を表すわけではなく、そのドライさこそが物語を面白くする活性剤になっている点が面白い。自分の秘密を守りながら、自分たちの居場所も守る。そんな高度な物語の中にあって、主演舞台が続く中でその演技にあふれる知性が業界を沸騰させる鈴木拡樹のシャープな感性と、殺し屋と公務員というヒロイン、ヨルの兼業生活の異常さを深刻ぶらず演じ抜く佐々木美玲の演技の端正さが、得も言えぬ魅力を醸し出すことにつながっていた。演出はG2。(写真は舞台「SPY×FAMILY」とは関係ありません。単なるイメージです)

 ミュージカル「SPY×FAMILY」は2023年4月11~16日に兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センター KOBERCO大ホールで、5月3~21日に福岡市の博多座で上演される。それに先立って3月3~29日に東京・丸の内の帝国劇場で上演された東京公演はすべて終了しています。

★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。舞台写真はブログでのみ公開いたします。

★無料のブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はクリエイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。鈴木拡樹さんや佐々木美玲さん、福地美晴さん、瀧澤翼さん、朝夏まなとさん、鈴木壮麻さんら俳優陣の演技に関する批評や、G2さんの演出や舞台表現に対する評価などが掲載されています。場合によってはスタッフワークに対する評価に言及する可能性もあります。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無条件に無料でお読みいただけるサービスは原則として2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

 なお、主要キャストのうちロイド、ヨル、ユーリがダブルキャストで、アーニャは4人キャストであるため、数えきれないほどの組み合わせが組まれていますが、今回劇評を執筆・公開するのはミュージカル「SPY×FAMILY(森崎ウィン・唯月ふうか・池村碧彩・岡宮来夢・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)」と、ミュージカル「SPY×FAMILY(鈴木拡樹・佐々木美玲・福地美晴・瀧澤翼・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)」の2つの組み合わせの回だけに限定させていただきます。ご了承ください。
 この組み合わせではカバーできないアーニャ役の井澤美遥さんと増田梨沙さんのファンや関係者の皆さま方には大変心苦しく感じております。人気公演のため取材機会も限られます。また別の機会に取り上げますので、なにとぞご容赦ください。

 ミュージカル「SPY×FAMILY(森崎ウィン・唯月ふうか・池村碧彩・岡宮来夢・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)」の劇評は既に掲載を済ませております。お読みになりたい方は下記のリンクで飛んでください。

★阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HESRTS」ミュージカル「SPY×FAMILY(森崎ウィン・唯月ふうか・池村碧彩・岡宮来夢・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)=2023.04.12投稿

★「阪 清和 note」ミュージカル「SPY×FAMILY(森崎ウィン・唯月ふうか・池村碧彩・岡宮来夢・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)=2023.04.12投稿

★エンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」と「阪 清和 note」の更新(投稿)は、主にTwitterでお知らせしています。公式アカウント「阪 清和★Seven Hearts」をフォローしていただき、今しばらくお待ちください

 2パターンの組み合わせを両パターンとも購入してくださる方には特にご了解いただきたいのですが、2つの劇評はあらすじ説明など一部で重複している部分があります。ご了承ください。

 なお、ブログにはどちらの出演回バージョンも同じ8枚の写真を掲載します。今回劇評を公開する2つの組み合わせ以外の写真もありますが、ご了承ください。

★写真クレジット中にある「(c)」は本来〇記号の中にcがある権利関係を表すいわゆる「マルシー」が用いられるべきですが、環境依存の記号であるため、パソコンやスマホの機種によっては難解漢字や「●」に変換されて表示されてしまうことがあります。それらの誤表記を防ぐため、環境に左右されない「(c)」とさせていただきます。関係者の皆さま、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。なお、先進的な機能を持つ「note」ではきちんと表記できますので、そのままマルシーと表記いたします。

★ミュージカル「SPY×FAMILY」公演情報

ここから先は

5,442字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?