三島由紀夫の意図がついに私たちの世界へと降り立った…★劇評★【舞台=豊饒の海(2018)】
輪廻転生を大きなテーマに据えて、明治から大正、昭和へと流れていく時間の中に、純粋な魂の複層的な行く末を描いた三島由紀夫の生涯最後の長編小説「豊饒の海」。「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」と全4巻から成る長大なストーリーは、1、2巻こそ映像化あるいは舞台化されているものの、全体像をひとつの作品として表現することに挑んだクリエイターは国の内外を問わずいなかった。そんな壮大な挑戦が、いまこの日本の現実の舞台の上で行われている。2018 PARCO PRODUCE ”三島 ×