阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
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2023年4月の記事一覧
主人公ジェーンとともに成長を続ける上白石萌音、立て続けの抜擢にも答出し続ける演技…★劇評★【ミュージカル=ジェーン・エア(上白石萌音=ジェーン、屋比久知奈=ヘレン担当回)(2023)】
過酷と言ってもいいほど不遇な幼少時代を送るが、決して気持ちを腐らせず自分が前に進んでいくことで人生を打開していく…。そんな主人公がなんと似合う女優か。最近そんな役柄に立て続けに起用され、そのたびに結果を出し続けている上白石萌音。世界的巨匠のジョン・ケアードのミュージカル作品で彼女は「ダディ・ロング・レッグズ 足ながおじさんより」に続いて大抜擢されたミュージカル「ジェーン・エア」でもその高い評価を確固たるものにしたと言えそうだ。最近共演が続き信頼してやまない井上芳雄という最高
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ドライな選択の上に弾ける最高にホットな関係、鈴木拡樹の知的でシャープな感性と、殺し屋兼業ヒロインを深刻ぶらず演じ抜く佐々木美玲の大胆な表現に脚光…★劇評★【ミュージカル=SPY×FAMILY(鈴木拡樹・佐々木美玲・福地美晴・瀧澤翼・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)】
人間とは居場所を求めてさまよう生き物だ。子どもなら、放課後に居る場所、若者なら自分を認めてくれる(あるいほったらかしにしておいてくれる)場所やグループ。どんな年齢になっても自分が過ごす場所は必要だ。かつては家庭や家族がそれを担っていたはずだが、それも希薄になってしまった現代では疑似であろうとも家族というかたちを求める人たちがいる。だからこそ疑似家族を扱った作品が増えているのだろう。しかしながら、大人気漫画でアニメも好調なコンテンツの初のミュージカル化作品として大きな注目を集
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スリリングな状況をコミカルにたくましく、ミュージカル化でポップなエンターテインメント性さらにアップ…★劇評★【ミュージカル=SPY×FAMILY(森崎ウィン・唯月ふうか・池村碧彩・岡宮来夢・朝夏まなと・山口乃々華・木内健人・鈴木壮麻出演回)(2023)】
夫、妻、娘…。どこからどう見ても「家族」だが、3人は、それぞれに自分にとって都合のいい場所としてこの家族というかたちがあっただけで、その理由はとてもクールでドライだ。それがなんともポップで小気味よい。おそろしいほどのスリリングな状況を切り抜けていかなければならないのに、それが時にはコミカルで人生を生き抜いていくたくましさにもつながる。涼やかな目と究極の優しさで最もデリケートなフィールドを駆け抜ける森崎ウィンのスマートさと、正反対の両面を高い次元で両立させる唯月ふうかの演技は
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