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<エンタメ批評家★阪 清和>ミュージカル劇評数珠つなぎ

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阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
いま大きな注目を集める日本のミュージカル。臨場感あふれる数々の劇評をお読みいただき、その魅力を直に…
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2022年10月の記事一覧

圧倒的な美と声量がもたらすハイグレードな山崎育三郎トートと屹立した女性像体現する愛希れいかのエリザベート。高い完成度に近づく命と魂のロンドが展開…★劇評★【ミュージカル=エリザベート(愛希れいか・山崎育三郎・田代万里生・甲斐翔真・涼風真世・上山竜治出演回)(2022)】

 新型コロナウイルスの感染が拡大したため2年続けての再演のはずが3年ぶりとなったからと言って、ファンの心理がそんなに大きくかき乱されるものではないが、中止になった2020年の公演が、若くして数々のミュージカルを極めてきた山崎育三郎がついに黄泉の帝王トートを演じるはずの公演だったこともあって、ファンはこの3年間、ずいぷんと待たされた思いがしていたに違いない。今回は宝塚歌劇団時代から長くエリザベートを務めてきた花總まりがエリザベート役の集大成として臨むタイミングとも重なり、前回公

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城田優の圧倒的な表現力、小池徹平の深みを増した演技、ソニンのしなやかな躍動感。「キンキ―ブーツ」を続けていく意味…★劇評★【ミュージカル=キンキーブーツ(2022)】

 一昨年2020年7月に急逝した俳優の三浦春馬(享年30歳)が小池徹平と共に2016年、2019年と主演してきたブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」の日本人キャスト版。ドラァグクイーンのローラ役にはオリジナルスタッフによるオーディションを経て、新たに城田優を起用した日本での3回目の上演が連日続いている。新型コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻と不安定さを増した世界に勇気と笑顔を取り戻すことが出来そうなほどの熱気が劇場を包む中、哀しみが癒えないままこの2年間を過ごした春

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単なる格闘の世界観だけではないスケールの大きな愛を説き、この世紀の物語がミュージカルというフィールドにたどり着いた意味を私たちに明確に教えてくれる…★劇評★【ミュージカル=フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~(大貫勇輔・Mayʼn・上川一哉・上田堪大・三浦涼介・永井大・桑原愛佳出演回)(2022)】

 連載の終了から34年も経つというのに、高い人気が続く漫画「北斗の拳」。2021年に初めてミュージカル化され、1年後の今年に早くも再演された。初演の大千穐楽からは8カ月しか経っていない。これほどの人気を支えるのは、このミュージカル作品が単なる格闘の世界観だけではない、スケールの大きな愛を説き、人間の身体という宇宙を哲学的なまでに突き詰めてきたからだ。感情の多彩な表現が可能なミュージカルという形式は、そのことをことのほか鮮やかに映し出しており、この世紀の物語がミュージカルという

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「夢を見る達人」である主人公のミリーを全身で演じる朝夏まなとを観ているだけで不思議と力が湧いてくる…★劇評★【ミュージカル=モダン・ミリー(2022)】

 夢を見ることの大切さは、例えばミュージカル「モダン・ミリー」の物語の舞台となっている1920年代のニューヨークでも、原作になっている映画が公開された1967年でも、ブロードウェイで上演した2002年でも、そして、日本で初演された2007年、15年ぶりの再演となった今年2022年の東京でもそれは変わらない。むしろ、その大切さは時代が現代へと進めば進むほど必要で不可欠なことになってくる。しかも、今回の公演が、人々の希望を打ち砕いていったコロナ禍で中止された2020年公演を経ての

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