阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
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2021年12月の記事一覧
複層的な妄想や華やかな記憶までもが暗く沈んだ監獄の中に同時に存在する不思議な世界。演劇表現の威力まざまざと…★劇評★【ミュージカル=蜘蛛女のキス(村井良大出演回)(2021)】
演劇というものは、大スベクタクルを描き出すこともできれば、果てしなく狭く濃密な空間でささやかれる会話を世界に向けて広げていくこともできる。その点、アルゼンチン生まれのブラジルの作家、マヌエル・プイグ(Manuel Puig)が、同房になった監獄の2人の人間関係の変遷をほとんどすべてが会話と言っていいほどの構成で描いた小説を舞台化したミュージカル「蜘蛛女のキス」は、その演劇表現の威力をまざまざと見せることのできる作品。複層的な妄想や華やかな思い出、記憶までもが暗く沈んだ監獄の
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