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阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
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2021年4月の記事一覧
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モーツァルトの地鳴りのような咆哮が聞こえてきそうな演技…★劇評★【ミュージカル=モーツァルト!(山崎育三郎・香寿たつき出演回)(2021)】
第一級の作品を生み出し続けている限り、その根源が精神の中に存在し続ける神童と呼ばれたころの「才能」であろうと、それを利用してあたかも青年期以降の自分が創ったようにして称賛を浴びる現在の肉体であろうと、周りの人間にとってはなんら問題はない。むしろそれは「かつての天才」コンプレックスを抱いている「元天才」「元神童」の本人自身の問題である。しかしだからこそその苦悩は深く、そこを物語の主体としたミュージカル「モーツァルト!」が高い評価を受けている理由でもある。2002年に日本初演さ
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弾けんばかりの躍動感と繊細な愁いのバランスが心を震わせるに十分…★劇評★【ミュージカル=モーツァルト!(古川雄大・涼風真世出演回)(2021)】
才能が肉体ではなく精神に宿っているのだとしたら、それはその人物の才能と言えるのか。その答えは絶対的に「言える」だ。自堕落な肉体としての自分を覆い隠すほど高レベルな作品や成果を才能から享受しているのだとしても、それは誰にも分からない。「才能」というものに実体はなく、その人物がもう一人の自分を自分の中に創り出しているだけかもしれないし、すべては精神の中の物語だ。しかしながら、その精神と肉体、あるいは実態と才能の分離を物語の中に組み込んだ時、モーツァルトの人生はそう読み解くことで
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