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阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
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2020年1月の記事一覧
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幾多の感情を縦横無尽にほとばしらせるような覚悟の利いた演技…★劇評★【ミュージカル=ウエスト・サイド・ストーリー Season 1(宮野真守・北乃きい・小野田龍之介・中河内雅貴・樋口麻美出演回)(2020)】
今も新聞を拡げれば世界中のあちこちで紛争が起きていることが分かる。大きな国同士が世界規模で戦う大戦はなくとも、問題のない地域などないのだ。悲しいことに、人々のそうした憎しみというものは新たな憎しみを生む。そしてより増幅して戻って来る困った性質を持っている。特に一瞬一瞬を懸命に全力で生きている若者たちにとっては、そんな憎しみは純粋な魂と同じぐらい弾けやすく、もろいもの。そんな憎しみの連鎖の中で起きた悲劇をウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)の戯
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キャスト一新で描き出す新たな正義と狂気のシンフォニー、新星らに確かな成長の予感…★劇評★【ミュージカル=デスノート THE MUSICAL(甲斐翔真出演回)(2020)】
漫画「DEATH NOTE」とそれを映像化した映画『デスノート』が世界を熱狂させたのは、死神と人間の契約という西洋的な下敷きがこの物語に施されていたということだけが理由ではないだろう。「正義のためなら、人を亡き者にして良いか」というすべての時代に問われて来た人類の命題が全編を貫いていることと、幾重にも張りめぐらされた「ルール」を登場人物や読者に突き付け「選択」を迫り続けるという稀有な物語の構造が、人間という生きものの原初的な衝動をいたく刺激したからだ。原作漫画が連載を終え(
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優しさを持ち寄った結晶体のように美しく輝く作品に仕上がっていた…★劇評★【ミュージカル=シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ(吉野圭吾・濱田めぐみ出演回)(2020)】
わたしたち人間と宇宙が相互につながっている感覚。それはSFでもファンタジーでもなく、当たり前すぎる現実的な感覚だ。だから人の人生もまた宇宙という苗床の上に育つひとつの命。言葉や共通原理が違っても、生きるということに前向きになる気持ちに違いはないはずだ。音楽座ミュージカルがオリジナルミュージカルとして長らく演じ継いで来たミュージカル「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」は、運命にもみくちゃにされても、そんな優しさにあふれた物語の大地に抱かれながら、あくまでも幸せを追求す
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