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<エンタメ批評家★阪 清和>ミュージカル劇評数珠つなぎ

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阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
いま大きな注目を集める日本のミュージカル。臨場感あふれる数々の劇評をお読みいただき、その魅力を直に…
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2019年9月の記事一覧

キャラクターがチャーミングで、ほろ苦さや批評精神まで豊かな上質な大人の物語…★劇評★【舞台=君の輝く夜に ~FREE TIME,SHOW TIME~(2019)】

 人と人との出会いには、まったくの偶然のようでいて、謎めいた縁(えにし)が作用していることもある。すべての謎が解けた時、その縁は蒸発霧散してしまうかもしれないが、確実に人々を結びつける力になってくれる。男女4人の奇蹟のような夜を中心に、出会いの素晴らしさを私たちに届けてくれる舞台「君の輝く夜に ~FREE TIME,SHOW TIME~」は、初めての出会いだからこそそれぞれに見せる4人の表情やキャラクターがチャーミングで、ほろ苦さや批評精神まで豊かな上質な大人の物語。稲垣吾郎

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四姉妹の人生の悲喜こもごもが交錯していく様は一種の凄みさえ感じさせる…★劇評★【舞台/MUSICAL=Little Women リトル・ウィメン ~若草物語~(2019)】

 「かわいい淑女の皆さま」あるいは「小さなご婦人方」という意味がある英語の「Little Women(リトル・ウィメン)」という言葉は本来は成人した複数の女性たちに呼び掛ける言い方を子どもたちに使う場合に使われるが、世界的大ヒット小説としてあまりにも有名な「若草物語」の原題としても広く知られている。これは作者であるルイーザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott)が自分たち姉妹を父親が呼ぶときの常套句であったようだ。欧米では幼いころから自立した人間に育てようとす

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