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<エンタメ批評家★阪 清和>ミュージカル劇評数珠つなぎ

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阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
いま大きな注目を集める日本のミュージカル。臨場感あふれる数々の劇評をお読みいただき、その魅力を直に…
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2018年8月の記事一覧

愛は消滅するのか…★劇評★【ミュージカル=ゴースト(2018)】

 愛はそれを宿す肉体が消滅してしまっても、どこかに存在しているのか。そんな哲学的な問い掛けにどう答えていいのか分からなくなったら、この作品を観れば良い。日米をはじめ世界中で大ヒットした映画『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年公開)をもとにしたミュージカル「ゴースト」には、その答えが秘められているだけでなく、大切なあの人への愛のためにいまこの瞬間何をしなくてはいけないのかのヒントもたくさん詰まっている。主演の浦井健治とWキャストヒロインである咲妃みゆ・秋元才加が織りなす究

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ゴミ捨て場の舞踏会がどこまでも気高く、一匹一匹の個性がきらきらと乱反射する…★劇評★【ミュージカル=キャッツ(2018)】

 ミュージカル「キャッツ」には「ジェリクル」という聞き慣れない言葉が出て来る。年に一度だけ満月の夜に開かれる舞踏会で、「もっとも純粋なジェリクルキャッツ」に選ばれたただ一匹の猫だけが再生を許され、新たな猫としての人生が与えられるというのだ。正式な英単語というよりは、この稀代のミュージカルから世界に広まったと言ってもいい言葉ジェリクル。和訳するのは至難の業だが、宝石のように輝いたイメージに加えて、とても大切な意味合いが込められている。それは「なにものにも束縛されず、自由で個性的

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