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『スキル』ということ

2016年3月30日 投稿

自分で言うのもなんですが、私のスキルは多種多様だと思います。

エンジニアとしては、システムの企画、方式設計、サービス設計、インフラ・基盤設計からUI設計、プログラミング、テスト、HTML・ CSSコーディングを一人で完結できます。

事務屋さんとしては、簿記・経理を始め、法務、人事、調達、マーケティングもこなします。
まぁ社長やってりゃ事務系スキルはあって当然なんですけどね。ですが、経営(社長さんでなくともそれなりの責務がある人)の立場にある人でも帳簿読めない、B/S・P/L・C/Fなにそれ、美味しいの?という人も結構いたりします。ましてや、『帳簿は現金主義で楽チン』なんて未だに信じてる人もいたりします。

とはいうものの、大手にSEとして勤めていた頃はそんなこんなも、な〜んにも知りませんでした。技術者でしかないことに一応の危機感はありましたが、会社では社内政治が優先され、社員は大手企業社員であるだけのプライドで満ち満ちた人ばかりでした。もちろん私もその一人です。

ですが、ある案件の営業でそんなプライドは吹っ飛んでしまいます。
私の提案は顧客のコンセプトからは外れ、聞いたこともない会社に2社競合で完敗したのです。
その時に、初めていかに自分が技術のことだけしか知らないか、マーケティング、いやビジネス、商売の基本を知らないかを思い知らされました。
折しも、世間ではバブルがはじけ、右肩上がりの経済成長神話は崩壊し始めており、事務処理・コスト削減しか知らなかった大型SIerのスキームが通用しなくなり始めていたのでした。

企業は、新しい「売れる仕組み」を作ることを模索し、ITベンチャーが見事にそのニーズに応え勢いを伸ばし始めていた頃でした。
それまで、「与信」という壁で、一定の資本と知名度がなければ特に関西では取引さえままならない状況だったのが、「いいものであれば売れる」という本来当たり前の理屈が実現されつつありました。

「やばい.....」

本当にそう思いました。

もちろん、あのまま社内で出世競争に励み、安定した高給のもと、休日や休暇を満喫するということも可能でした。

でも、私には無理でした。

そして、飛び出してたまたま求人情報サイトで見つけたベンチャー企業に転職。そしたらそこは、後から知ったことですが、例の2社競合で私を完膚なきまでに叩き潰してくれた「聞いたこともない会社」でした。

そこで出会った営業メンバーは、私にとってはリスペクトすべき人たちでした。営業センスに長け、世間のニーズに応え、フレキシブルに進化しようとする気概に溢れていました。

そこでは、大手のように「下請けに出す」という考え方はありません。全て自前で構築。サーバやネットワークというインフラを始め、アプリのライブラリ、フレームワークもそう。それまで理論でしか語ってこなかった方式論がすべて実践の中で鍛えられました。

もちろんスピードも違います。知名度も資本もないベンチャーが勝負するには、大手SIerをはるかに凌駕するスピードが求められます。自ずから大手でやっていたようなマネジメント手法では立ち行かなくなります。

ですが、それを乗り越えて得られる果実はとても大きなものでした。

私にとってはあの経験が一番の「ライフハック」だったんだとも思います。

今思えば、「大企業」、「ベンチャー」ともに経験できたことは私にとってはとてもラッキーでした。もちろん、どちらにも長所・短所があり、どちらがいい、どちらかでないとダメというのものではありません。転職せよと言っているわけでもありません。

しかし、スキルを広げるには、その必要性を肌で感じることは大事だと思います。それには内にこもっていてはダメなんですよね。

どうしても仕事のベクトルって社内に向いてしまう現実があります。だから意識して外に向けないとその組織はきっと腐っていきます。
我々もそうならないように、いろんな工夫をしていますし、これからも絶え間なく手を打っていく必要があります。

いい刺激を求め、変化の喜びを味わおう。

Be Ambitious!!

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