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第2話

あの男はどこに行った??

『どうかなさいましたか??』
『………いや』

俺の不審な行動に嫌な顔一つせずにこやかに笑顔を見せる。
確か、都市伝説によると。
その店内は不思議と落ち着く場所でBarでは珍しい案内人がいて……そのままだな。
それに案内人やその従業員達は歳を取らない。
側で片付けをしているマキという人物は、見た目は50代半位で丸縁の銀の眼鏡に黒いスーツを着ている。歳の割には長身でスマートな体型をしている。

まさに都市伝説の通りだ。
でも、確か都市伝説によると大切な何かが奪われるって話じゃ無かっただろうか??
一体何を??
まさか命……とか。

少し恐怖を感じて体がブルっと震えたが、俺にはもう失う物など何もない、ここまで来たんだ、真相に辿り着くまで諦めない!

やっと手に入れたチャンス逃すものか!

『ご注文は?』

顔立ちの整った20代前半の青年が私に尋ねる。

『マルゲリータを』
『かしこまりました』

この青年の顔色異様に青白いな…。
そんな事を考えていたらいつの間にかカクテルがスーと差し出されていた。
一口飲んでその美味しさに驚く。

『いかがですか?』
『えっとマキさんでしたね、すごく美味しいです。所で……。』

俺は早速探りを入れていく。

『このお店とても良い雰囲気ですね、いつぐらいからあるんですか?』
『…………ずっと……ですよ。お客様が忘れない限り在り続けるんです。』

マキは顔色一つ変えずにこやかな笑顔のまま答える。
曖昧な言い方だな……。

『失礼ですがマキさんは何歳くらいなんですか?』
『唐突ですね、見た目通りの老いぼれですよ』

上手く交わされたな。

『いやね、噂であなたにソックリな方に50年前に出会ったと聞きましてね』
『ほぅ、良く似た人物は自分以外に3人いると言いますが不思議な話ですな、是非会ってみたいものです。』

………なかなか手強い。

その時、フッと昔の出来事が脳裏に浮かび少し身震いする。

『どうかなされましたか?』

その時、マキのという男の瞳の奥がキラリと光った様な気がした。

『もしやそんな経験がおありなんですか?』

ここは相手に合わせて様子を見るのも有りだな。

『昔、不思議な体験をしまして、その事を思い出したのです』
『それは興味深い、宜しければ是非お聞かせ下さい。』

そして、俺の中の時計が過去へと遡っていく。

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