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第2話
男が勢いよく飛び出して行った。かなり怒っている様だ。
『良いのですか?ヨウマ、ご依頼人では無かったのですか?』
『あいつはダメだ。もう終わっている…生臭くてとても側にいれたもんじゃねぇ』
レンが木の扉に向かって塩を撒いている。
やれやれ…ですが彼はまたこの場所に来る事になるでしょう。
闇の者達が既に彼をマークしているのですから…。
『…マキさん、またアイツだ…』
レンが小声で窓を指差しその存在を知らせる。この時間は外からは何も見えない様にしている。きっとすぐ諦めて立ち去るでしょう。
案の定、諦めて立ち去ったのを中から見送っているとヨウマが立ち上がる。
『深追いは禁物ですよ、ヨウマ』
『分かっている』
そう言うとスッと姿を消す。
何もなければ良いのですが……。少し嫌な予感がしますね。
そして光がゆっくり消えていき全ての物が跡形なく姿を消す。
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本当になんて嫌な奴なんだ!ムカついてたまらない。
怒りが収まらず思わず側にあった自転車を蹴飛ばす。
『ちょっとあんた!』
持ち主に出くわしたのかとバツの悪い表情になる。
『自転車の持ち主ではないよ、それより聞きたい事がある。』
スーツ姿の男が名刺を俺に渡してくる、そこにはライターと書かれていて真島と名乗った。スーツはヨレヨレで髪はボサボサの無精髭を生やしたいかにもなその風貌に、ゴシップライターだとすぐ理解した。
『どうしてあの店に??どうやって場所が分かった?それに中に居たのは何人だ?』
捲し立てる様に次々質問をぶつけてくる、何が言いたいのかサッパリ分からないしその質問をする意味も分からない。あまりの必死さに少し引いてしまう位だった。
『おっしゃっている意味が分かりません、すみませんが急いでいるので…。』
こういう輩には関わらないのが一番だ、俺はそう言い残し真島がすがる手を振り払い立ち去って行った。
『くそっ!!どいつもこいつも何も話したがらない、一体どうなっているんだ!!』
そう叫んだ時だった。