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我儘匙加減

途中抜けてた時期もありますけど、30年以上も音楽の現場におりますんで、沢山のミュージシャンとご一緒させてもらいました。

ティーンの頃は同年代としのぎを削り、未熟なまま社会人バンドに入って身近にいるスゲー人たちに出会い、ライブごとにあちこちでスゲー人たちに出会う。

『負けられん』それだけでしたね。なんとなくここまで来れました。

もっとできると思ってるし、諦めてもいませんし、『ようやく第三次成長期に入ったかな』くらいに思ってます。標準よりも緩い成長曲線なんでしょうね。

スゲーって人たちも多い分、『なんだこれは…』って人たちにも遭う。

『なんだこれは…』のその『なんだ』が理解不能なほど飛びぬけてるパターン、今まで見たことが無い新しいパターン、そしてとんでもなくヘタクソなパターンと『驚愕』の幅がスゴイのもミュージシャンの素晴らしいところです。

『カラオケやがな…』

通信カラオケが普及したり、DTMがフランクなものになったりして、ある時期から『音源持ち込み』勢が増えた。その持ち込み音源もノートパソコンからスマホ、CD-Rまで多岐にわたる。

確かに最初は『カラオケやがな…』って思った。誰もステージで演奏してないんですから『カラオケ』で間違いないしね?

『音源持ち込み』勢が増えてくると、音源流して歌ってるだけでは勝負にならなくなってくる。そこにはやっぱり『個性』が乗っかって来るようになる。

さっきカラオケ屋で録ってきたオケを流してる強者もいたにはいたが、『法的に大丈夫か?』とか、そのインスタント、その危うさをも凌駕する『個性』があれば『お!』とも思うものですよ。

ステージングも決まっている。衣装なりMCなり、お客さんを楽しませようとする気持ちがある。プロフェッショナルですよ☆

こうして群雄割拠で完全に『個性』の勝負になってる『音源持ち込み』勢に対し、逆にバンドはあんなに炸裂してた個性や多様性がだんだんしぼんでってる気がする。

歌ものバンドなら絶対的にボーカリストがステージの支配者である。

いいバンドには必ずいいボーカリストがいて、そのボーカリストにどれだけ自由に歌わせるかがそのバンドの腕力だと思ってる。

そこでやっぱり気になるのは、ボーカリストが客席を見ていないバンドですね。

演出として『ピアニストと見つめあって歌う』のはいいと思います。そうじゃなくて、頻繁にメンバーの方を見て、そうやって緊張をほぐしてるのか知らないですけども、歌い出しケツ向けてる人もいたりして、これ高校の部活だったら先輩からの折檻不可避ですからね?

『ジャズミュージシャンは誰も集客しない。』

『いえ、ジャズに限ったことじゃないですよ。』ホントに情けない会話だった。今でも鮮明に覚えてる。

今からステージに上がらせてもらうのに、自分の音楽を聴いてもらえるチャンスがやって来るのに、そのステージにお客さんを呼ぶ気が無いとか、じゃ家でオナっとればいいのにね?交通費が勿体ないよ。

実際に、ライブ告知すらしないミュージシャンはいっぱいいます。知られたら死ぬ病なんでしょう。

そういうスタイルだとか、そういうスタンスであるっちうんならそんでいいけど、じゃ何のためにステージに上がるんすか?ってことですね。

他のメンバーがちゃんと告知してくれてるからいいの?『オレは行って演奏さえすればいい。』ってことっすかね?

バンドの活動諸費用を全額出してる人ならもちろんそれでいいと思いますけど、そうじゃないなら単なる『甘え』であり『怠惰』じゃないんすかね?

もし義理や厄介でバンドやってんだっつーのなら、さっさとやめて欲しいっすね?そのスペースを『音楽やりたい!』って人に譲って欲しいっすわ。

ストリートでもチャージなしのライブでも誰かのパーティーでも番組の収録でも武道館でもステージはステージです。

自分の音楽がイケてると思ってるからステージに上がれるんだろうしね?だからたくさんの人に見て欲しいと思うんだろうし。

『ギャラ出んのやろ?じゃテキトーでええわ。』

そんなワケあるかボケ!だったらこの時間を返せ!ですからね?まだチャージ取ってるならお返しも出来るけどね?返せんよ、時間なんか。

そんなスタンスの人たちを『アマチュア』と言います。

虚無が混在するステージや、滞る演奏のことを言うんじゃありません。いつまで経っても自分本位でお客さんそっちのけの人たちのこと、またはスキルもマインドも未熟な人たちの事を『アマチュア』と言います。

逆に、音楽事務所に入ってるから即ち『プロ』ってことでもない。

ギャラ出ないライブだって、お客さんが全く興味持って無くてもステージに上がればマンキンでやるんがプロフェッショナルです。

色々と悩ましいのはわかります。でもそうやって葛藤してるヒマがあったら、せめてお客さんに来てもらうために心血を注ぎなはれな。

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