【偶然SCRAP#28】The Frieze Futurist Cookbook(Frieze版「未来派の料理本」) from Frieze (1/3)
(追記2019年12月31日)
初投稿は8月27日。アートの批評雑誌に、料理が出てきた。
ちょうど実験的な飯田橋にあるレストラン「INUA」をテレビで見てたから気になった。今日時点で言うと、テレビドラマの「グランメゾン東京」でも料理監修?がINUAだったりしたので、「おっ」となった。
もともとアートは五感のものだと思ってるし、自分ではあんまり行くことはないけど、料理人の方々の美しい盛り付けやレシピの探求、そして技術はどうみてもアートだと思ってた。しかも口に入れる。すごい。
この記事では、食べられないものから、テクノロジーをつかったもの、アーティストの好きなものなどのレシピを作品としている。どんな小説にも、絵画にも料理が登場する。そして、それを再現しようなんてこともよくある。寺院とかと一緒で、いやそれ以上に昔にリアルにタイムスリップして体験できるもの。それが料理。
(初投稿2019年8月27日)
今日は現代アート雑誌Friezeから「The Frieze Futurist Cookbook」(2019年8月23日付)というタイトルの記事を全3回に分けて引用・紹介します。
<以下、引用>
Otobong Nkanga, Heather Phillipson, Rirkrit Tiravanijaを含む9名のアーティストに依頼した特別なレシピー抽象芸術から美味しい食べ物まで
Filippo Marinettiが1932年に『The Futurist Cookbook (未来派の料理本)』を出版したとき、世界は大恐慌に陥っていた。「私たちはこのパニックに対する解毒剤として未来派のレシピ、つまり食卓における楽観主義を提案する」と彼は書いた。「動物学的スープ」や「ポリリズミカルなサラダ」は決してテーブルを飾るためのものではなかった。むしろ、それらは欠乏の時代における食べ物と私たちの感覚的・文化的関係を見つめ直すものだ。今回、私たちの料理本では、9名のアーティストーBea Bonafini, Debora Delmar, Olafur Eliasson, Christopher Knowles, Otobong Nkanga, Heather Phillipson, Slavs and Tatars, Rirkrit Tiravanija, Zheng Boーが様々な形式で「レシピ」を作成した。全てが食べられるものではないーいくつかは食べられるーが、各レシピは食卓に楽観主義をもたらす。お皿と心の両方にとっての御馳走である。
Christopher Knowles
Cheddar Cheese and Bacon Hamburger
(妻と私はウェスト・ヴィレッジにある小さなアパートに住んでいる。私たちは料理をせず、外食に出る。私の好きな食べ物はチェダー・チーズバーガーだ。私のお気に入りのハンバーガーはエレファント・キャッスルにある。エレファント・キャッスルのチーズバーガーは脂肪分が20%。あとPorter HouseとChuckも好きだ。それらはAmy's Bakeryのバンズを使っている。それにベーコンが上にのせたやつが本当に好きだ。)
Christopher Knowles,
Cheddar Cheese and Bacon Hamburger, 2019, marker on two sheets of paper, 22 x 28 cm each. Courtesy: the artist and Gavin Brown's enterprise, New York
Christopher Knowlesはヴィジュアル・アーティスト兼詩人。2018年にhアメリカのContemporary Arts Museum Houstonで個展を開催。
Rirkrit Tiravanija
Nam Pla Ice Cream (ナンプラー・アイス)
Rirkrit Tiravanija, Nam Pla Ice Cream from Bastard Cookbook, 2019. Photograph: Janne Tuunanen
魚醤(ナンプラー)は驚くべき可能性を持っている。それ自体がかなり癖のある匂いがあるが、食べ物に加えると、それがよく混ざり合い、風味を高め、料理に豊潤さとコクをもたらす。それは塩またはグルタミン酸ナトリウム(MSG)のように使われ、両方の仕事をしてくれる。それはアイスでも完璧に働き、ソルティーで焦がしキャラメルのような感じをもたらす。また完熟のトロピカル・フルーツの風味さえ感じる人もいます。
材料
1.5L; 濃厚なクリーム 6カップ(脂肪約30%)
0.5L; 全乳 2カップ
300g; 砂糖 1.5カップ
300g; 卵黄 1.5カップ
ナンプラー お好みで(約大さじ3杯を推奨)
20人分
作り方
卵黄と砂糖を混ぜて、クリームとミルクの中に注ぎます[①]。氷と水で満たされた大きなボウルを用意します。その上に少し小さいボウルを置きます。このボウルにアイスクリームの素が全て入らなければいけません。
湯煎で、①を82℃(180℉)に達するまでゆっくりと加熱します。①を氷の上のボウルに注ぎます。塊が4℃(39.2℉)に冷えるまで、ヘラでゆっくりかき混ぜます。撹拌しながら、必要に応じて氷を追加します。
お好みに応じてナンプラーを加えます。素は、最終的に望むものよりも少し濃い目の味にしておく必要があります。かき混ぜたアイスクリームはより冷たく、より多くの空気を含むので、最終的にはナンプラーの味が薄まります。このレシピは理想的にはアイスクリームの撹拌機でつくられるものですが、持っていない場合は、氷、塩と少しの水で満たしたボウルを用意してください。アイスクリームの素を小さな金属製のボウルに入れ、氷水の上に置き、固くなるまでヘラでゆっくりと混ぜていきます。
Rirkrit Tiravanijaは、ニューヨーク、ベルリン、バンコクを拠点にするアーティスト。2019年に、彼はベルリンのneugerriemschneider及びワシントンのthe Hirshhorn Museum and Sculpture Gardenで個展を開催。
Rirkrit TiravanijaとAntto Melasniemiによる「Bastard Cookbook」 (2019)は、ニューヨークのGarret Publicationsとthe Finnish Cultural Instituteが共同出版している。
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(翻訳:雄手舟瑞)
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