プロダクト成功の道標!CPF・FPF・PSF・SPF・PMF大全
はじめましての方もいると思うので、簡単に自己紹介させて頂きます。
僕は楊 承峻(やん すんじゅん)と申します。株式会社FUNEEという会社のCEOで、 新しいファッションプラットフォームや、若年層が熱狂するファッションメディアなどをつくってます。
FUNEEでは、プロダクトを成功させるために、プロダクトのフェーズを下記の5つに分類しています。
CPF(Customer Problem Fit)
FPF(Founder Problem Fit)
PSF(Problem Solution Fit)
SPF(Solution Product Fit)
PMF(Product Market Fit)
スタートアップの多くが、PMFを目指して事業を創っているからこそ、PMFまでのフェーズの定義と見直しの重要性を強く感じている今日この頃です。
とうことで、今回は
そもそもCPF〜PMFって何なのか
それぞれのフェーズでどんなことを重視するべきなのか
どのタイミングでフェーズを進めるのか
などなど復習も兼ねて書いてみます。PMFを目指すスタートアップの皆さんにとって参考になると嬉しいです。(あくまでFUNEE社内での定義なので、書籍や他の方の記事と定義の仕方が異なる場合があります。)
ちなみに弊社では、下記のような図を作成して、現状のフェーズやこれからのフェーズを振り返れるようにしています。
CPF(Customer Problem Fit)とは?
【終了条件】
1. 顧客(ペルソナ)イメージが明確になっている
2. 顧客が抱える課題と要因・背景が明確になっている
3. 顧客の課題を解決する現在の代替ソリューションが明確になっている
CPFとは、Customer Problem Fitのことで、顧客の課題に関する仮説検証を進めるフェーズです。CPFフェーズを丁寧に検証しないと、後々のフェーズでピボットする必要が出てきたり、プロダクトの存続に関わります。
まず、ターゲット顧客が本当に課題を抱えているのか検証する必要があります。私たちが考えていた課題を、そもそも顧客が抱えていなかった場合、すべての努力が水の泡になってしまいます。
CPFの検証は、一例として、ジャベリンボードとユーザーインタビューによって行います。
カスタマー(顧客)の仮説を立てる
課題と現在の代替ソリューションの仮説を立てる
カスタマーに当てはまるユーザーにインタビューを行う
結果と学びから新しい仮説を構築する
1〜4を再度行う
上記を繰り返すことで、ターゲット顧客のイメージ、また抱えている課題と現在の代替ソリューションを明確化していきます。もちろんのことですが、代替ソリューションが課題に対するベストな解決策な場合、新しいプロダクトを創っても使われない可能性があるので、代替ソリューションを超える体験をつくることができるか考える必要があります。
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FPF(Founder Problem Fit)とは?
【終了条件】
1. 創業者・メンバーが課題に腹落ちできている
FPF(Founder Problem Fit)は、言葉として馴染みがなく、意外に抜けていたり、忘れられることが多いフェーズです。プロダクト創りは果てしない旅に出かけるようなものです。終わりなき旅路には、様々な困難な試練が起きます。CPFフェーズで見つけた課題を解決する熱量を創業者とメンバーが持てる状態で、PSFフェーズに突入することが重要です。
創業者・メンバーの熱量のベクトルを合わせることで、PSFフェーズ以降の事業進捗のスピードが変わると考えています。また、創業者・メンバーがなぜこの課題に取り組むのか言語化することができれば、今後の仲間集めやプロダクト創りにも活かすことができます。
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PSF(Problem Solution Fit)とは?
【終了条件】
1. アーリーアダプターにソリューションが刺さっている
2. アーリーアダプター以外のターゲットにもソリューションが刺さる可能性が見えている
PSFとは、Problem Solution Fitのことで、顧客が抱えている課題を解決できるベストなソリューション(解決策)を検証するフェーズです。PSFの検証を進めながら、顧客の課題の解像度が高まることもありますし、顧客の課題の解像度が高まることで、1から提供するソリューションを考え直す必要が出る場合もあります。
終了条件1の「アーリーアダプターにソリューションが刺さっている」状態を現在FUNEEでは7日後Retention Rateが20%以上と定義しています。アーリーアダプターにプロダクトを利用してもらい、高いRetention Rateを確保できていればPSFしている可能性が高いです。自社のプロダクトの性質に合わせてDRR・WRR・MRRを追っていくのが良いでしょう。
終了条件2の「アーリーアダプター以外のターゲットにもソリューションが刺さる可能性が見えている」に関しては、7日後Retention Rateが10%以上あり、かつなぜアーリーアダプターと比べてRetention Rateが低くなっているのか、どのようなソリューションを提供すれば、満足してもらえるのかという2点がクリアになっていれば良いでしょう。
PSFの段階で、全てのターゲットユーザーにめちゃくちゃ使われるプロダクトというのは稀で、そこまで創り込むのに相当な時間がかかると考えています。(特にC向けの場合、ユーザーごとに利用シーン・ニーズが異なることが多いため)なので、PSFの段階ではアーリーアダプターに徹底的に使われる尖ったプロダクト創りをおこなっています。
※数字周りは、まだ根拠が弱いので、随時アップデート中です。うちはこんな感じで決めているよ!などあればぜひディスカッションさせてください🙋♂️
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SPF(Solution Product Fit)とは?
【終了条件】
・持続的にプロダクトを提供することができる
・持続的にコンテンツを更新できる仕組みがある
・持続的な組織体制がつくれている
SPFとは、Solution Product Fitのことで、持続的にソリューションを提供する仕組みを検証・構築するフェーズです。PSFフェーズで見つけた適切なソリューションを持続的に提供できなければ、プロダクトとして成り立ちません。SPFの際に、意識するべき視点は3つあると考えています。
プロダクト視点
コンテンツ視点
組織体制視点
プロダクト視点に関しては、そもそもプロダクトが持続的に提供できるものなのかという視点です。例えば1万人くらいまでなら、現状のプロダクトで課題を解決できるけど、ユーザーが10万人になった際には成り立たないようなモデルや仕組みだと、PMFフェーズに進むことができません。
コンテンツ視点に関しては、コンテンツを持続的に更新できる仕組みがあるかを見ていきます。PSFフェーズでは「オズの魔法使い」方式でコンテンツを更新している場合などは、「オズの魔法使い」方式から脱却し、自分達が更新しなくても持続的にコンテンツが更新される仕組みをつくる必要があります。
最後に組織体制視点です。スタートアップだと組織の体制がめちゃくちゃなんてことはよくあることです。ただ、PMFフェーズ以降に成長にドライブをかけるためにも、SPFフェーズで、組織的負債の解消や、スケーラブルな組織体制をつくれていると良いでしょう。
【SPFに関するオススメ記事】
PMF(Product Market Fit)とは?
【終了条件】
・なし
PMFとは、Product Market Fitのことで、提供しているプロダクトが、適切な市場で受け入れられているのかを検証するフェーズです。
上記に終了条件はなしと書きましたが、もちろん下記のような検証を行います。
ビジネスモデルの検証
事業として成り立つのか(顧客を獲得するコストよりも、収益のほうが上回るのか等)
アーリーアダプター以外にもサービスが利用されRetention Rateを確保することができるのか
終了条件がなしと書いた理由として、PMFはある時急に「達成できた!」となるのではなく、達成のグラデーションがあると考えているからです。
株式会社令和トラベルの代表である篠塚さんは、PMFに関して下記のように話しています。
PMFは1度達成して終わりではなく、バージョンやグラデーションがあると捉えて事業をつくっていくことができると良さそうです。
【PMFに関するオススメ記事】
おわりに
CPF〜PMFに関して、株式会社FUNEEにおける定義を書いてみました。PMFに関しては、弊社も目指している段階なので、今後の事業進捗と共に、より解像度を上げていけたらいいなと考えています。
もし、ファッションが好きなスタートアップ関係者の方や、CPF〜PMFに関してディスカッションしたい方がいましたら、ぜひ茶など(オンライン可)させてください🍵
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