短詩集44 「髪」

1.ほうきで連れ去られる僕の一部
2.その指と鋏で私を綺麗にした一時間半
3.髪を梳いて好きと言って そしたら私逃げ出すから
4.欲しいものは重ならない 年々足りなくなる髪と言葉
5.触れられたいのは髪と爪そして骨 他は忘れて
6.顔から下の毛は要らない
7.疎まれる体毛の悲哀
8.人を食べる人の不気味な黒髪
9.毛先まで愛しいと思える人の声で眠りたい
10.縋るように詩を書く夜半 切り立ての髪確かめながら
11.慰めるぐらいなら美容室へ同行してくれ失恋後夜祭
12.濡れ鼠の私を捨て猫みたいに保護して
13.あなたの一言で楽しくなったドライヤータイム恋の魔法

あとがき
こうやって女子的部分を書いてると楽しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?