鬼ごっこ
好きな人と同じ名前の美容師に
後ろ髪を切ってもらった
もう躊躇わなくても済むだろう
いつでも追い掛けてくるのは
人か自分か罪悪感か
正解がぶつかり合って
不安がいつしか身体を蝕んで
「ほらね」をもう聞きたくなくて
棺桶を人数分用意して
私は何度も葬式をしたけど
イナゴは何度もやってくるよ
祈るの?誰に何を
欲しかった自由を燃やした手に
握られてた手紙はもう読めない
約束は全部期限切れになって
髪だけが伸びて時間を告げた
想いは届かなかったの
思い出の登場人物は
残らず顔を失っていった
さよならを言えるのは
また会う人にだけなんだ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?