tapioca

夏が嫌い。 最近好きな作家はジョセフコンラッド。

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記事一覧

hurry up

遅くはないとか いつでもいいとか 人は耳障りのいいことを 言うけれど 今言わなければ 永久に口を噤むしかない そんな言葉がいつも 私の周りを取り囲んでいる 今言うしか…

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2週間前
4

午前二時

眠りだけが安らぎだとしても 落ちるのが怖い午前零時 うんざりしたパターンと 同じ顔した人たちの群れ ペシミスト気取ったって 苦しくなれば息を吸う ヒロイズムに浸った…

tapioca
3週間前
1

drip

ドリップしてね上手に丁寧に テキテキと落ちる雫に重力を見出す 心臓より上に手を上げれば 出血は少なくて済むらしい 眠っている間に 全ては済んでしまうのさ 大切なこと…

tapioca
1か月前
1

自由律俳句:さいきん

1.ヤク中とからかってくれる人募集中(両腕から採血されたさん) 2.あの人が選んだ赤セルもう終わり(ALOOKの回し者さん) 3.一気見が苦行であるよ配信バブル(タ…

tapioca
1か月前
2

夏の叫び

恋とは断末魔の叫びではないか 奇をてらった文言をひねり出そうとして ふとそんな並びが浮かんでくる 時間を引き延ばしてみると 当てはまるものはたくさんある 死まであと…

tapioca
2か月前
2

埋葬

世界の縁に触れたと思った手で 僕らは時の砂に埋もれてゆく 突然砂浜に空いた穴に落ちたみたいに 一瞬で生き埋めになって そうして二度と這い上がれなくなる 世界の淵に触…

tapioca
3か月前

バーにて🍷

「恋にさあ、命なんか懸けちゃダメだよ」 「ふむ?」 「だってさあ、絶対失恋するもん」 「実る恋だってあるんじゃない?」 「ないね!得恋と失恋は同じことって、坂口安吾…

tapioca
3か月前
6

それを思い出すと僕は 身を焼かれるほどの 痛苦で狂ってしまう でもたぶん狂った人は 自分をそうと言わないだろうから 僕はそれなりに まともという証明になっているだろう…

tapioca
4か月前
1

死に夢を見る

死にまつわることをつらつらとエッセイ風に。 葬式って平和だなーと思う。 犬神家みたいな葬式現場もあるかも知れないけど…w その人はもう苦しんでおらず、ただ静かに横…

tapioca
5か月前
8

ツワブキ

知らない、野菜を手に取って でもそれは、知ってるものと 似ている 何にも似ていないものは 段々と私の世界から減ってきた そのことを苦く 寂しく思っているだろうか わか…

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6か月前
4

待ち合わせ

まだミモザが咲いているか 確かめに行った僕は 十日前、人だかりの中心にあった木々が 今日は素通りされていくのを目撃した 僕は君を探すように まだ黄色いミモザを探して…

tapioca
6か月前
4

一同は広島へ

その気配に怯えながら愛した 血の呪いからも 輪廻の鎖からも 本能の質量からも ついに逃れることが出来なくても それがわかっていても 君の手を取ったのは どんなに汚くて…

tapioca
6か月前
2

ミモザとヘッセ

ミモザ、ミモザ、ミモザよ 君の骸を囲ったミモザよ 君と共に炎に包まれたミモザよ 僕は君を探して あの部屋から春に引きずり出された ヘッセの絶望に触れながら 隣の女の…

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6か月前
3

錯覚

君が生きていることを 左手で確かめながら 過ぎてゆく時間 死へ向かってゆるやかに 強まる絆に縋りついた 離れてゆくのに 近づいてゆく 別れは僕たちを 分かちがたく結び…

tapioca
6か月前
3

手段

何かと関わる手段を 何かに倣うことをやめてみたい どうやってそれと関わるか それは自然と現れてくるもの 浮かび上がってくるもの 媒介者を限定しなくていい ある手段を…

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7か月前
3

きみ

君はあの雨の昼下がり 僕の手の中で永遠になった もう君を捕まえるものは何も無い 大空へ羽ばたき 太陽に触れても焼けることが無い 出会いの日からずっと 後悔することが…

tapioca
7か月前
4

hurry up

遅くはないとか
いつでもいいとか
人は耳障りのいいことを
言うけれど

今言わなければ
永久に口を噤むしかない
そんな言葉がいつも
私の周りを取り囲んでいる

今言うしかないのに
飲み込んでしまった言葉が
蝕んだ細胞をかき集めたら
この部屋は埋まってしまうだろう

どうして言えなかったのって
後悔したくなくて
どうして言わなかったのかって
後悔したくなくて

愛を
愛を
愛のことばを

溢れる気持

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午前二時

眠りだけが安らぎだとしても
落ちるのが怖い午前零時
うんざりしたパターンと
同じ顔した人たちの群れ

ペシミスト気取ったって
苦しくなれば息を吸う
ヒロイズムに浸ったって
渇けば水を求め叫ぶ

君を心底軽蔑していたというのに
「興覚めた一変が、窒息するくらいにおそろしく」
僕は笑い
僕は喋った

全ては覆い隠すためのもの
僕は正直者のふりをしながら
真実を使い分けているだけ
湧き出る憎悪の奥でうご

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drip

ドリップしてね上手に丁寧に
テキテキと落ちる雫に重力を見出す
心臓より上に手を上げれば
出血は少なくて済むらしい

眠っている間に
全ては済んでしまうのさ
大切なことは全て
見逃してしまうのさ

何もわからないと言えば
わかったようなことばかり言われる
何かわかったと思えば
すぐに後ろから殴られてばかり

普通というのは
一番よりも難しいね

私の体の中に溜まる何か
あなたの体の中を食い荒らす何か

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自由律俳句:さいきん

自由律俳句:さいきん

1.ヤク中とからかってくれる人募集中(両腕から採血されたさん)

2.あの人が選んだ赤セルもう終わり(ALOOKの回し者さん)

3.一気見が苦行であるよ配信バブル(ターガリエン推しさん)

4.学習性やる気満々ぼくイチロー(籠の中のインコさん)

5.取返しつかねーことほどやっちゃうぜ(太宰治大ファンさん)

6.結婚は何度やってもいいもんだ(新米アメリカ人さん)

7.初めてが楽しい日々は帰ら

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夏の叫び

恋とは断末魔の叫びではないか
奇をてらった文言をひねり出そうとして
ふとそんな並びが浮かんでくる

時間を引き延ばしてみると
当てはまるものはたくさんある
死まであと一秒なのか一年なのか一光年なのか
明日死ぬなら今日の私の言葉は全て
断末魔のそれであり
必死のセミの叫びもそれであり
マンションの廊下に転がる彼の
突然の咆哮もやはりそれであり
言葉は全て
死を前にした命の
断末魔の叫びと言えようぞ

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埋葬

世界の縁に触れたと思った手で
僕らは時の砂に埋もれてゆく
突然砂浜に空いた穴に落ちたみたいに
一瞬で生き埋めになって
そうして二度と這い上がれなくなる

世界の淵に触れたら
溢れ出して全てがこぼれ始める
入れすぎた珈琲みたいに
飲みすぎたアルコールみたいに
僕らを汚してゆく

恋はいつも僕らを
世界の果てまで連れて行ってくれるけど
その後僕らは
世界にどんどん吸い込まれ
引き寄せられ
埋もれて

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バーにて🍷

「恋にさあ、命なんか懸けちゃダメだよ」
「ふむ?」
「だってさあ、絶対失恋するもん」
「実る恋だってあるんじゃない?」
「ないね!得恋と失恋は同じことって、坂口安吾が言ってた!」
「あのおっさんは神かなんかなの?」
「神じゃなくても真実を言ってもいいじゃないの」
「ふうむ…。まあ、命懸けの恋と言っても、命の懸け方にも色々あるもんね」
「そーね。心中すりゃいいってもんでもないわよ」
「何回もしちゃう

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それを思い出すと僕は
身を焼かれるほどの
痛苦で狂ってしまう
でもたぶん狂った人は
自分をそうと言わないだろうから
僕はそれなりに
まともという証明になっているだろうか

それを思い出すと僕はかつて
自分の身を切り裂きたい衝動を感じた
最近はその想像だけでなんだか痛いので
何がしかで気を紛らわせるばかりだ

いい加減にもう二度と
思い出さないようにしてほしいものだが
記憶というのはまあ皮肉なもので

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死に夢を見る

死にまつわることをつらつらとエッセイ風に。

葬式って平和だなーと思う。
犬神家みたいな葬式現場もあるかも知れないけど…w
その人はもう苦しんでおらず、ただ静かに横たわっているだけで。
別れを惜しむ人たち。
もう、何も出来ることはなくて。
全員がただ、冥福を祈り、天国だかあの世だか三途の川の向こうだか、
地獄だか煉獄だかどこかしらへ、魂を見送る。
もはやそれしか出来ない。
偲ぶ。
思い出話をする。

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ツワブキ

知らない、野菜を手に取って
でもそれは、知ってるものと
似ている
何にも似ていないものは
段々と私の世界から減ってきた
そのことを苦く
寂しく思っているだろうか
わからない

父の書棚から
こっそりでなくヘッセ詩集を抜き取り
誰にも言わない旅に連れていく
私の日常は肉感を失っている
繋がりへの希求は煩わしくなり
バランスを欠いているのは
世界ではなく私であるか

ゆるやかに死にゆく誰かを
見送る時

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待ち合わせ

待ち合わせ

まだミモザが咲いているか
確かめに行った僕は
十日前、人だかりの中心にあった木々が
今日は素通りされていくのを目撃した

僕は君を探すように
まだ黄色いミモザを探して歩き回った
そして端っこの方に
すみっこの方に
楽し気に揺れている黄色の塊を見つけた

君だ
君が僕を待っていてくれた
君が僕にとっておいてくれた
僕は愛しく眺め
そっと触れた

君の愛らしさに敵うものなどこの世には無い
それでも僕は

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一同は広島へ

その気配に怯えながら愛した
血の呪いからも
輪廻の鎖からも
本能の質量からも
ついに逃れることが出来なくても
それがわかっていても
君の手を取ったのは

どんなに汚くてもそれを
愛と名付けるしかなかった
どんなに痛くてもそこへ
向かうしかなかった
あの頃の僕を

ミモザとヘッセ

ミモザ、ミモザ、ミモザよ
君の骸を囲ったミモザよ
君と共に炎に包まれたミモザよ
僕は君を探して
あの部屋から春に引きずり出された

ヘッセの絶望に触れながら
隣の女の会話が耳に入ってくる
生きる者は興味深い
とうに死んだ詩人より

初七日だの四十九日だの
生者はとかくうるさくする
君は何の悪事も働かなかった
勲章に相応しくても
裁きを受ける謂れはない

だから君よ早く生まれ変わって
僕の手の中に戻

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錯覚

君が生きていることを
左手で確かめながら
過ぎてゆく時間
死へ向かってゆるやかに
強まる絆に縋りついた

離れてゆくのに
近づいてゆく
別れは僕たちを
分かちがたく結びつける

共にすごした日々も
出会う前の僕も
ひとりになった後のことも
すべて同じことだ
君の気配で満たされている

死を恐れ怯えながら
君と世界の片隅で生きてきた
世界中のどんな不幸も
君に振りかからぬように願った

愛に迷いがな

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手段

何かと関わる手段を
何かに倣うことをやめてみたい
どうやってそれと関わるか
それは自然と現れてくるもの
浮かび上がってくるもの

媒介者を限定しなくていい
ある手段をもって
関わることが困難であっても
確かに何かと常に関係して
生きているのだから

僕はどう世界と関わる?
僕はどう君と関わる?
それを規定した途端
全てをつまらなくしてしまう

想いの望む姿を
探り出して掘り当てていく
感情の行く先

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きみ

君はあの雨の昼下がり
僕の手の中で永遠になった
もう君を捕まえるものは何も無い
大空へ羽ばたき
太陽に触れても焼けることが無い

出会いの日からずっと
後悔することが怖くて
毎日愛の言葉を囁き続けた
それが自分自身のためだと恥じていたが
君を失って気付く
君が好きだと言ってくれたのは
僕を好きでいてくれたからなのだと

後悔を先に立てようとすると
別の後悔が生まれる仕組みらしい
とにかくそれはやっ

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