鬱の友人を持ち、自分が鬱になって学んだ鬱のこと。
今日もいいお天気で、ごはんがおいしいです。
自衛官時代の体験談を有料記事にしていたのですが、最近自分が投稿してきた記事を見て、有料にする理由が見つからなかったので、無料記事に切り替えました。
今はどうかは知りませんが、私が在籍していた頃は自衛官の自殺はよく聞く話でした。
ただ、鬱については、「大体の問題は気合いと根性と体力向上で解決する」と本気で考えている方々が多かったのもあるのかないのか、当時の私も含めて理解が不足していました。
(さすがに気合いと根性じゃ解決できないことは山ほどある、という認識は持っていましたが)
同僚を自殺で失う、という悲しい体験をして、自衛隊を辞めた私が数年後、父のがん闘病が引き金となって鬱を患い、地の底を這いつくばるような毎日を送るようになり、鬱になるきっかけは同僚と違うものの、あの日あの時の同僚がいた世界を共有し、胸が痛くてしかたがありませんでした。
こんなしんどい世界で、ひとり震えていたんだ。
勇気振り絞って、辛さを理解してほしくて、声を挙げた君だったのに、私や先輩後輩たちは「君がいる世界は君が言うような世界じゃないよ」と真っ向から否定することばかり返していた。
彼にはひどいことをしてしまいました。
もし、これを読んでいるあなたの身近な人の中に鬱の方がいて、どうすればいいか、どんな言葉をかければいいか、思い悩んでいるなら。
将来、そのような状況に陥るときが来たならば。
あなたにしてほしいことはふたつ。
黙って、静かに、彼らの話を聞いてあげてください。
そして、彼らが「辛い」「しんどい」「苦しい」と伝えたときは、「辛かったんだね」「しんどかったんだね」「苦しいんだね」と「だけ」、返してあげてください。
鬱の人が一番に求めているのは、元気な(あまりこの表現好きじゃないんだけど)私たちがいる「元の世界」への戻り方、要は解決法、ではなく、「自分が今いる世界を知ってほしいこと」なんです。
あなたから鬱の人を見ると、リビングでVRを付けて戦闘ゲームをしてる人、のように見えるとしても、鬱の人自身はどうかというと、実際弾が四方八方から飛んでくる戦場を、命がけで逃げ回っている状態なんです。
※あなた目線の鬱の人
※実際、鬱の人がいる世界
たとえ鬱の人が幻覚の世界に身を投じているとしても、鬱の人にとってはその世界が「事実」で「現実」なのです。
もちろん、そこで得た体験も。
鬱の人と接するとき、私たちはよく「正解」を提供しようとします。
「それはあなたの思い込みだよ」
「君の勘違いだよ」
「〇〇君は、あなたにそんなこと言わないし、しないよ」
「被害妄想はやめなさいよ」
もし、自分が見たもの、耳にしたもの、体験したことを大勢から真向否定され続けたら、あなたはどう感じるでしょうか?
私は一秒でも早くこの世から消えて、誰もいない世界へ逃げたいです。
事実、私は身近な人にはほとんど理解してもらえず、苦しい思いをしましたが、カウンセリングに通うことで、自分抜け出せずにいる「漆黒の世界」と、そこから抜け出せない苦しみを話して受容してもらえたので(相手はプロですから)だいぶ荷が軽くなりました。
(もし私と同じように、一番頼りたい身近な人たちが一番あなたの苦しみを理解しようともしないために、悩み苦しんでいるならば、心療内科やカンセリングなど、専門機関を利用することをお勧めします。)
鬱を患っている相手の視界が酷く歪んでいたとしても、それを正すのはぐっとこらえて、すべてを受け止めなくてもいいから、彼らの話をただ静かに聞いてあげてください。
かなりの忍耐が要りますが、このシンプルなことで、「わかってもらえた」と「ほっ」とするので、救われます。
鬱にならないよう心がけることも大事ですが、もし自分が、身近な人が鬱になったとしても、オロオロしないようにする心構えも、持っていてほしいです。
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