ドラマ版チェリまほの「藤崎さん」という存在について

ドラマチェリまほ、終わってしまいましたね。

でも、終わってくれたおかげでゆっくり考えられるようになった事があって、まだ終わってねえぞこれは、みたいな気持ちで生きているのですが。

いわゆるチャレンジ枠の低予算ドラマのはずなのに、こんなに心をあたたかく揺さぶられることになろうとは見始めた当初全く想像もしていませんでした。

勿論、メイン二人の恋模様にキャーキャー身悶え、ニヤニヤが止まらず、二人の幸せを願って涙し、毎週こんなに充実してていいの?私なんかが、と、思うくらい、本当に本当に幸せな時間をいただきました。

が、それと同じくらいの比重で、私の心をしめたのは、「藤崎さん」という存在。

漫画を読んでいましたが、キャラ変されると知ったものの、それがどのように?とは分かっていなかったので、そんなに絡んでこないのかな?と思っていました。

実際最初は出てくるけど、顔が出てきたり、ただ遠くから見られるくらいのポジションだったので、腐女子設定抜いただけなんだろうと思っていたら。

四話ですよ。突然の四話での彼女の背景。

背景と言っても、「恋愛に興味がない」と言うだけのアウトプットだったので、それがどの辺のことなのかは今でもわかりませんが、そこから俄然、藤崎さんの存在が私の中で大きく重くなりました。

なぜなら私も、「恋愛に興味がない」人間だから。

これは別にカミングアウトでも何でもなくて、私そこそこ周りの人間にはずっと「私は好きな人できたことない」「私は結婚しない」と言い続けてきたので(結婚に関しては、子供の頃から両親にも言って来ました)言われた相手がどう受け取ったのかは今でも分かりませんが(実際何回も「わからないじゃん」と言われてきましたし)それを話すこと自体、私はなんの心苦しさも感じません。

そんな私の目の前に、突然「藤崎さん」という人が現れました。

今までテレビの中どころか、日常でも出会ったことのない、もしかしたら同士のような存在かもしれない人が、深夜ドラマに現れたのです。

でも、最初の心の声の「恋愛に興味がない」を聞いただけでは、よくわからない、というか、私の心がそれを咀嚼できなかったというか、今でも咀嚼しきれたか分からないというか。

でもとにかく、藤崎さんが他の人よりグンと、気になる存在になりました。

その後も藤崎さんはポツポツと事あるごとに登場はするものの本当にワンシーンが多くて、あー、藤崎さんいいな、可愛いな、素敵だな、と思うくらいのポジションでしかありませんでした(まあ登場の度に「ん?女神かな?天使かな?」と思うくらいには、素敵ポジにはいましたけど)

そして、最終話です。

ここ、結構批判も読んだし、その批判を悲しいともそんなに思わなかったのですが、メインカップルの一人である黒沢が、藤崎さんにデートの相談に来るんです。

私も最初「もしかして黒沢はマウント取りに来たのかな?」と思いながら見ていたのですが、そこからの藤崎さんの

「安達くんはどっちも緊張しちゃうかも」

「え!」

「ん?」

が、もう本当に何というか、秀逸というか、あの場面での最適解というか。

あの「ん?」の一言で

「安心して、わかってるよ。別に他の誰かに言いふらす気もないよ。そして私はあなたの恋敵にはならないよ」という表明。

なんなら「今後も何かあったら相談に乗れるよ。嫌なら来なくてもいいけど」すら含まれているかもしれない。

藤崎さんという人はもしかしたら、安達の視線を感じていたかもしれない。でもそれが恋愛なのかは謎で。ただ一つ、黒沢が安達を見つめていることは知っていて、自分は恋愛に向いていないことも知っていて、だから何かあったときに答えるとしたら「ごめんなさい」しかなくて。

そんな中、気がついたら仲良くなっている二人に気づいて、ああ、よかった。思いが通じあったんだね、と、ただ思っている人だったんじゃないかと思っていて。

ここまで書いてきた藤崎さんの思考は全て、私が勝手に思い描いていることなので、何夢見てんだよと言われればそれまでなのですが。

で、そんな藤崎さん、最終回までの活躍って、変な話当て馬でしかなかったんですよね。

黒沢が「安達はきっと藤崎さんに恋をする」と思っている当て馬。

途中から藤崎さんの優しさは少しずつ表現されてきましたが、それ以上でもそれ以下でもない。

そこに、あの最終回です。

当て馬ではなく理解者になって現れた藤崎さん。

ただの同期なのに、同僚二人の行く末を心配をする藤崎さん。

そして、見るか見ないかも分からないし、うまくいくかいかないかも分からないのに、花火を上げに行く藤崎さん。

六角も一緒だったのは、もし二人が花火を見なくても、花火大会を楽しみにしていた六角くらいはこれで少し幸せになってくれるかもという配慮もあるのかも。

兎に角、最終話の藤崎さんの言動はどれも美しく、どれも優しく、でも自分のやりたい行動でしかないという行動原理が、私の心に突き刺さりました。


わたしは、自分をセクマイだと思ったこともないし、QだAだはよく分からないのですが、LGBTがテレビで声高に叫ばれ始めた当初、あれ?自分は何処にもいないのかな?と思ったことはとてもよく覚えていて、私みたいな人間は世間では居ないことになってるんだろうなと、ずっと思ってきたのに、まさか、人生折り返し過ぎたような年齢になって、初めて「私のような人間」が現れて、しかもその人がとても素敵に描かれていて、本当に涙が出るほど感動したんです。

勿論藤崎さんの優しさは、彼女個人のもので、彼女が恋愛に興味ないこととは何の関係もないのですが。

でも、メディアの中で初めて見つけたんです。自分と同じような人を。

そしてそれが素晴らしい人物だったんです。


分かってもらえるかな、この感動。

難しいかな、やっぱり。

なので、最終回、色々内容てんこ盛りすぎて、何回か相談シーンや花火シーンを「これいる?」「いらなくない、このシーン」という言葉を見つけ、ああ、そうだよね、これがなければもっと描けたシーンあったもんね、と、分かってもいるのですが、私はあのシーンが大好きで大好きで、公式で花火シーンのブロマイド売ってくれたら絶対買っちゃう。何は無くともそれだけは買っちゃうというくらい、わたしには尊いシーンなんです。

昨夜、BS 最終回終わって、お風呂に入っていたら突然号泣してしまって、これを書いている今も涙が止まらなくて困っているのですが、この感情が何処から来るのかもよく分かってないし、もしかして今まで自覚ないまま傷ついてきたのかな?いやいや、それならあんなにリアルで「興味ない」って言ってまわらないよとか、自問自答はまだ終わらないのですが、とりあえずこれ、一回形に残しておかないとまた自分の心を置き去りに生きていくことになるのかなとおもって、これしか投稿しないかも知らないNOTEを書いてみました。

私はエゴイスティックな人間なので、藤崎さんみたい素敵な人にはなれないけれど(藤崎さんより全然年上なのに)、少しでも、今より一ミリでも自分を好きになるようにならないとな、と。

そして、全ての人を傷つけないのは無理にしても、わざわざわ人を傷つけにいくようなことはすまいと、いま、心に刻んでいます。

私はどちらかといえば、性格自体は安達なので。

自分を卑下することですら、誰かを傷つけることもあるのよ、と、心に刻んで、なるべくいろんな方向から景色を見渡せるようになるといいな、そうなる努力をしようと思っています。

最後ただの決意表明になりましたw


#30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい

#チェリまほ

#テレビ東京

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