【関節夫のココトバ短歌】~~「野の人たれ」~~~
【関節夫のココトバ短歌】
~~「野の人たれ」~~~
■うたびとは人と群れるを良しとせず
ただひたすら野の人であれ
この歌はわたくしが
歌人であるための礎である。
我が敬愛する西行法師は武士を捨てて、
流浪の旅にでた「野の人」であった。
■願はくは花の下にて春死なむ
その如月の望月のころ
が代表歌であるが、
■なにごとも変はりのみゆく世の中に
おなじかげにてすめる月かな
■吉野山やがて出でじと思ふ身を
花ちりなばと人や待つらむ
■なにごとも変はりのみゆく世の中に
おなじかげにてすめる月かな
■風になびく富士の煙の空に消えて
ゆくへも知らぬ我が心かな
吉野山を去り各地を放浪しながら詠んだ歌は
わたくしの心に強く響いてくるのである。
そして、わたくしが学んだ早稲田の
創設者・大隈重信は
「在野」を唱えた政治家でもあった。
いま、改めて、わたくし自身が
歌人であることを
自問自答する時、「野の人」であろうと
再認識するのである。
せき せつお