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■望月をためらいつつも出ずるかな君に似たるや十六夜の月

■望月をためらいつつも出ずるかな
君に似たるや十六夜の月

望月、すなわち十五夜の満月よりも、

一日遅れの少しはにかむ

十六夜の月が好きである。

若かりし時に、

ちょっと控え目で奥ゆかしさのある

女性と恋に落ちたことがあった。

いま思うと彼女を手放したくはなかった。

叶わなかった恋ゆえに、

この歳になり、あの日の恋が未練がましく

思い出される。

せき せつお

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