■ 恥じらいをさらせし歳の数だけの野の花が咲きたれか摘まんや
【こころの処方箋 ココトバブレンド】
■ 恥じらいをさらせし歳の数だけの
野の花が咲きたれか摘まんや
幼年時
わたしの上に降る雪は
真綿のようでありました
少年期
わたしの上に降る雪は
霙(みぞれ)のようでありました
十七ー十九
わたしの上に降る雪は
霰(あられ)のように散りました
二十ー二十二
わたしの上に降る雪は
雹(ひよう)であるかと思はれた
二十三
わたしの上に降る雪は
ひどい吹雪とみえました
二十四
わたしの上に降る雪は
いとしめやかになりました・・・・・・・・
中原中也『生ひ立ちの歌』より
歳を重ねるほどに
恥じらいが積もってゆきます・・・・・・・・。
その恥じらいの数だけの野の花が咲きます。
その野の花を誰かに摘んで
いただきたいのです・・・・・・・・・。
せき せつお