#せきせつおのひと息小説7
#せきせつおのひと息小説7
緑の葉が濃すぎると、その鮮烈さがかえって自然の中での存在感を薄めてしまう。新緑の若葉が見せる繊細な緑が、かつては生命の息吹を感じさせてくれた。だが、8月の暑さに負けぬよう濃く育った葉は、見る者にその美しさを伝える余裕を失ってしまうように思える。
これは人の美しさにも通じるところがあるのではないだろうか。化粧があまりにも華美であれば、その人自身の魅力がかえって薄れてしまう。厚く塗り重ねられた化粧は、もともと持っている自然な美しさを隠してしまうのだ。
女性の美しさのピークは、40代前後に訪れると感じる。歳を重ね、内面からにじみ出る落ち着きや知性が、自然な魅力を一層引き立てる。この美しさは、若い頃の無邪気さや鮮やかさとは異なり、深みのある成熟した美しさだと思うが、いかがだろうか。