#38 器選びについてはこう答えています
器の選び方のコツってあるんですか?
なかなかシンプルながら核心をつく質問です。
せともの屋さんですからね、こう聞かれたらという答えはいちおう用意しています。もちろん聞かれたことだってありますし。
色や柄、大きさについてはそれぞれに好みもあるし、今手持ちの器との組み合わせもあるでしょうからそこは「お好みで」「必要に応じて」でいいんです。ただ選ぶ時には必ず手に持ってね、とは言います。
和食って日本人の食卓の基本です。いろんなメニューが世界中から食卓にのるようになった現在ですが、日常的に箸持って食べますよね(うちはフォークとナイフ、箸なんか使わないよぉ、というご家庭は別ですが)。
箸を持って食べる文化は中国だって韓国だって一緒ですが、箸と一緒に匙を使います。チョッカラとスッカラは韓国の箸と匙。韓国の金属の器はテーブルに置いたままスッカラ(匙)を使ってスープもご飯も口まで運びます。中国も匙だったりレンゲだったり箸の他に食卓にあります。
日本は(スプーンとかも使うこともありますが)基本的には箸だけです。その代わり器を手に持って食べます。日本はとにかく「お箸持つ方が右、お茶碗持つ方が左」の器を持って食べる文化です。小鉢や小皿も同様です。テーブルの上の料理をフォークやスプーンで口まで運ぶより器と人との距離が近い関係です。
となれば、見た目もともかく持ち心地、触り心地が大事です。触って選んでください。持って選んでください…ということです。
いいなあと思っても、持ったらなんかバランスが悪いなぁとか、見た目より重いとか。食事を盛り付けて運ぶとか洗ったりの作業にも影響あります。
最近はネットで器を選ぶことも普通になっています(それはそれでお店で選ぶより多くの種類から探せるので便利です)。ただ出来るなら実際手にとって触れて感じて選んで欲しいとは思います。たまに「触らないで!」とか言うお店もあるようですが、そんなところはほっておきましょう。
次の週末の「せともの祭」。とんでもない量の器が集まり触って選べる最高のチャンス。お店の人にわからないことも聞けます。こういう陶器市などの機会を利用して器選びを楽しみましょう!
※ただし、屋外で陽射しを浴びた器はめちゃ熱くなってることがありますので、持つときには要注意です。