脚本家でみる、韓国ドラマ「怪しいパートナー」
顔疲れ
韓国ドラマに、観たいとは思いつつどうしても見れないものがあります。
理由をずっと考えていて、あるときもしかしたら俳優の顔なのかな。
と思うようになりました。
なんとなく敬遠している。見るまでに時間がかかる。
観始めても途中で諦めてしまう。
イ・ミンホ、イ・ドンゴン、などがそうなのですが、
チ・チャンウクもその一人でした。ちょっとイ・ミンホに似てますね。
整いすぎているのでしょうか、顔のパワーがすごくて圧倒されて
長い時間みる韓国ドラマでは疲れてしまう。これを顔疲れと呼んでいます。
それでもイ・ミンホは話題作が多いので、これまでの作品は全て見ましたが、
チ・チャンウクはアクションが多いというイメージが強くて、
つい最近までほとんど見ていませんでした。
それが、このコロナ禍で今までみてなかったものもと思い
気になっていた「怪しいパートナー」を観てみたら・・・
短期間で3周目になってしまった。
脚本家クォン・ギヨン
他の作品もいくつか見て、全然いける、なんで見てなかったんだろう、
好みが変わったのかな、と思っていたんですが、
やっぱりダントツに良い「怪しいパートナー」の脚本家が、
「ボスを守れ」のクォン・ギヨンだと知り、納得しました。
今回はクォン・ギヨン作家の他の作品と比較して、
「怪しいパートナー」の面白さを紹介したいと思います。
「ボスを守れ」「君を憶えてる」「怪しいパートナー」
クォン・ギヨン作品、三つの共通点
*格闘するヒロイン
*ダメ男にならない、弱さの表面張力
*男同士にしか見せない顔、を魅せる
格闘するヒロイン
3つの作品に共通する、ケンカに強い、腕力に自信のあるヒロイン。
だからこそ、普通は直面しないような危険な場所にも自ら入っていくことで、
心配する彼との間のラブストーリーに起伏が生まれます。
「ボスを守れ」の中で、ヒロインが「大丈夫」と言った後で、
「(呟いて)大丈夫って・・・何が大丈夫よ」と自分に言うセリフがあります。
何かすごく印象的で覚えているのですが、これが全てを集約している気がします。
強いけど、大丈夫じゃないときがある。
クォン・ギヨン作家は、あえて強いヒロインを出すことで、
その弱さをあぶり出し、それに気づき守る彼の愛を際立たせています。
弱さの表面張力
ダメな男、悪い男、イヤな男、弱い男・・・
ネガテイブな男性のキャラクターは色々ありますが、この作家の書く
主人公は、どれも弱い男度数が高い気がします。
弱さが溢れてしまうと、もうダメやイヤな男に一直線ですが、
ギリギリのところでとどまっている。
そのギリギリで表面張力のような弱さに、惹きつけられます。
男同士にしか見せない顔
友人、同僚、兄弟など男同士の関係にも重きを置いているのも
特徴的だと思います。
もう定番化したジャンルであるブロマンス
は、つまり男同士(同性)にしか見せてない顔を見ることができる、
異性にとって普通なら見れない表情を見れるという喜びと魅力がある。
この作家は特に、その関係性、表情を魅せてくれる気がします。
男勝り、ボーイッシュ、男っぽい
という言葉が今どこまで有効か、使える言葉なのかわかりませんが、
あえていうならそんな人により刺さる物語かもしれない、と思います。
もしかしたら、作家本人がこんな方、もしくは憧れなのかもしれません。