せとかわデニムプロジェクト、ゴール宣言!
こんにちは。瀬戸内かわいい部のみなみです。
2021年11月30日。秋の終わりのこの日、瀬戸内かわいい部が初めて立ち上げたプロジェクト「せとかわデニムプロジェクト」が、いよいよゴールを迎えることになりました!
プロジェクトで完成させたピクニックシートとZINEはオンラインストアで引き続き販売予定ですが、2年9ヶ月を一緒に過ごしてきたプロジェクトチームとしては、これでいったん解散となります(もうすでにデニプロスです…)
今日の記事は、そのしめくくりとなる最後の記事。2年半活動を見守ってくれたみなさんにむけてのメッセージを書かせていただきました。ちょっと長くなりそうですが、もしよかったら、プロジェクトの打ち上げに参加したような気持ちで、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
「瀬戸内かわいい部」で知ったこと
そもそも瀬戸内かわいい部って?というお話しになるのですが、瀬戸内かわいい部は、2018年に部長のやすかさんの呼びかけで立ち上がった、瀬戸内のかわいいモノ・コトをお伝えする活動です。
西日本豪雨が起こった時、観光の方々の姿が倉敷美観地区から消えてしまったことを知ってやすかさんが作った「#美観地区は元気だったよ」という動画がその誕生のきっかけとなりました。
その動画を見て、当時やすかさんが所属していたオンラインコミュニティのメンバーが倉敷に来てくれて、お気に入りのかわいいカフェや雑貨屋さんをご案内したところ「岡山ってすごく素敵なところ、とても落ち着くかわいい場所がたくさんある」と言われ、やすかさんは「岡山には何もないと思ってた、でもそれは自分が気付こうとしていなかっただけかも」とはっとしたそうです。
それがきっかけとなり、岡山や瀬戸内の魅力を自分ができるかたちで発信していこう、と決めて「瀬戸内のかわいいモノ・コトを発信する【瀬戸内かわいい部】を立ち上げます!」と宣言しました。
その思いに共感して、ひとり、またひとりとメンバーが。(これを書いているわたしもそのとき「やってみたい!」と手をあげた1人です)
最初はみんなで気になるまちを歩いてみたり、SNSで心ときめいたものを発信してみたり、交流会をひらいてみたり……。
きっとまわりから見たら、とても小さなこと。
でもそのうち「このまちには、なんていとおしいものに溢れているんだろう」と、目を見開くような出会いが次々押し寄せてくるように。瀬戸内のかわいいモノ・コトを発信するために「きっとどこかに素敵な何かが隠れているはず」と探し、見つめ直すことで、素敵なものを見つけられるようになったのです。
やすかさんが感じたのと同じように「自分が気づこうとしてないだけだった」ということに気がつきました。そして知れば知るほど、どんどん瀬戸内が好きになって、新しい情報にふれる機会も増えて、ますます「瀬戸内って、かわいい!」という思いが強まっていったのでした。ほんの小さな小さな活動だったけど、でも私の世界は確実に変わったのです。
デニプロを始めようと思ったのもそれがあったから
せとかわデニムプロジェクトでも、その気持ちがベースにありました。
「かわいい」という観点からデニムを見つめ直してみようよ。
そうしたら、それまで目を向ける機会がなかった、地元の産業の魅力や技術に気付けるかも。
デニムの商品をつくろうよ。発信しようよ。
そのためにデニムの素材のことを勉強して、児島を歩いて、工場の仕事を知れば、きっと「いとしい」という気持ちといっしょに瀬戸内のデニムを伝えられる人になれるはず。
思い入れのこもった言葉には、ぬくもりがにじみます。
ぬくもりのにじむ言葉を聞くと、なんだか忘れられない気持ちになれます。
「せとかわデニムプロジェクト立ち上げます!」という呼びかけに賛同して最初に集まってくれたメンバーは10人。たった10人。でもこの10人が、小さくてもぬくもりと強い思いに満ちた言葉で「デニム」について語れるようになったとき、もしかしたらちょっと世界が変わるんじゃないかな……そしてやすかさんや私が体験したように、みんなの見える世界もちょっと変わるんじゃないかな……なんて思っていたのでした。
その先にどんな景色が見えるかわからないけど、1年後にどんな世界が広がっているか見にいってみよう!!そんな思いで、えいや!とはじまったのが「せとかわデニムプロジェクト」でした。
2年9ヶ月の間に手に入れた宝物たち
プロジェクトとしては、Season1・2で「瀬戸内デニムピクニックシート」約200本を販売。さらに瀬戸内デニムピクニックの魅力やわたしたちがプロジェクトを通じて出会った景色をまとめたZINEを発売しました。(そのあゆみはこのマガジンをぜひ読んでね!笑)
細部に至るまでこだわりぬいたピクニックシートとZINE。そこに詰めた思いはこれまでたくさん語ってきましたが、どちらもだいじな宝物です。そして、できあがった商品のほかにも、3つの大切な成果があったと思っています。
①デニム産業への理解
制作の過程で、さまざまなデニムの生地・素材・加工にふれさせてもらって、デニム産業への理解が深まりました。色・綾の太さ・素材・使う織機、それらの組み合わせで無限に広がる生地のバリエーションにはとても驚きました。
それから品質の高さへの驚き。提供いただいたB反生地を見ると「一体どこに傷があるのか…」と戸惑うくらいの上質さで、品質チェックを行う工場の方が日頃いかに目を光らせているかを垣間見ました。
それから、テフロン加工後のシートが加工前よりだいぶ小さくなって「デニムって洗うとこんなに縮むの!?」と驚いたときも。普段自分たちがお店で購入しているデニムは、縮むことを踏まえ計算して作られてると改めて気付いたり。今では、店頭で製作の裏側を想像しながらデニムを見るようになってきました。
②地域の人・志をわかちあえる人との繋がり
プロジェクトの過程で出会った人々とのつながり。これもまた大きな宝物となりました。ITONAMIの島田さん、篠原テキスタイル、弘文、浦上染料店など商品制作にご協力くださったプロフェッショナルのみなさん、DENIM HOSTEL floatで出会った方、取材を通じて活動を伝えてくださった方、瀬戸内を伝えたいと同じ思いを抱いて地域で事業を行っている方、企画に協力してくれた方、そして日々「応援してるよ」と寄り添ってくれた友人や家族。この2年9ヶ月のあいだに本当にたくさんの人々と出会えました。デニプロはこれでゴールとなりますが、これからもチャンスがあればぜひ何かご一緒したいという気持ちでいっぱいです。
③次なる挑戦への後押し・エンパワーメント
Slackでは日々メンバーの間で様々なアイデアが交わされていました。そしてアイデアだけじゃなくて行動もぐいぐいと。毎週のように工場に通って打ち合わせては、どんどん商品の素材やデザインを提案してくれたメンバーもいれば、写真やデザインで商品の紹介に注力するメンバー、プロジェクトの全容を伝えるためにnoteの連載を提案してくれるメンバーもいて、それぞれが自分の得意なこと・チャレンジしたいことに意欲的に取り組んでくれました。ぐんぐんと前に進むその姿はほんとうに魅力的で、その姿に刺激を受けてまた次のチャレンジをしてみようという気持ちが沸き起こってきました。
あるときから、せとかわをあらわすキーワードに「誰もが旗をふれる場所」という言葉が加わりました。
「思えばデニプロが始まったとき、わたしたちはなにかしら『何かやりとげたい、現状を飛び出して新しいことに挑戦したい、でも一人で一歩踏み出す勇気がない…』という思いを抱えてた気がする。でもここにいると『やってみよう!』と言える勇気が持てるようになった」と言ってくれたメンバーがいました。
互いに「やってみようよ!」と手を取り合い、背中を押し合いながら前へ進み、仕事や家庭やいろんな事情で「どうしても今は活動できない…」というときは、誰かがその人が持ってるバトンを受け取り代わりに走る、そんなことが日常的に行われるようになり、そんな関係性は、不安を取り払って、軽やかに一歩踏み出す勇気を与えてくれた気がします。
せとかわデニムプロジェクトとしてはこれで解散だけど、そんな勇気や、ここで得た繋がりや経験をもとに、それぞれのメンバーが次のステージで活躍していけたら最高だなあと思います。
デニプロから新しい挑戦の芽「合同会社higoto」
そして、そんなことを象徴するような嬉しい出来事が起こりました。
香川から参加してくれた3人のプロジェクトメンバー・まみこさん・ヘレンさん・yukikoさんが、この秋「合同会社higoto」を立ち上げられたのです。
コロナのために県をまたいで集合することが難しかったSeason2…そんな中で、香川県内に住むこの3人は、商品の発送・在庫管理・イメージビジュアルの撮影などを一手に引き受け進行の核を担ってくれました。
そんな3人が「会社をおこすことにした!」と決意表明をしてくれたときは、びっくり&拍手喝采でした!
いつも瀬戸内かわいい部を応援してくださっているみなさまへ。
はじめまして、higotoです。
この度、瀬戸内かわいい部の香川メンバー3人で「higoto」という合同会社を立ち上げました。まさか、こんなご報告をする日が来るとは夢にも思っていなかったので、ちょっと緊張しています。
higotoを立ち上げたきっかけは、何を隠そう、瀬戸内かわいい部(以下せとかわ)&せとかわデニムプロジェクトに参加したことでした。
瀬戸内をもっと知りたい。
瀬戸内の素晴らしさを伝えたい。
瀬戸内で何かやってみたい。
higotoメンバーのせとかわへの参加理由はそれぞれですが、各々が「何かに挑戦したい」「今の状況を打破したい」という気持ちを持って出会いました。
せとかわでは「せとかわデニムプロジェクト」という2年に渡る長期プロジェクトでデニムによる商品を企画開発、販売まで行いました。多くの方から商品とともに、プロジェクトの成長ストーリーも応援してもらえる企画となりました。
そんなプロジェクトに参加したことで教えてもらったこと。それは、小さな一歩を踏み出すことで、目の前の世界が大きく変わること。そしていくつになっても挑戦しても良いということ。
何より、活動を通して想像もしていなかった景色を見せてもらえたのは、せとかわメンバーをはじめ、いつも応援してくださっているみなさまがいたからだと、改めて実感しています。
また、活動をしていく日々の中で、higotoメンバーとなる3人には共通の思いを持っていることがわかりました。
「結婚しても、子どもがいても、いくつになっても、やりたいことを叶えたい。」
「家族に関わる時間も大切にしたい。でも、本当はもっと自分を大切にする生き方も一緒にしていきたい。」
「歳を重ねることを、もっとポジティブに捉えられるようになりたい。」
そんなふうに、同じ思いを持った人の背中をそっと押せるようなことを、私たちがやろう。そして共にその思いを解決していこう。
そう決意したのは、紛れもなく「せとかわ」と「せとかわデニムプロジェクト」での経験が大きな後押しとなりました。
higotoという会社はまだ産声をあげたばかり。これから始まる小さな会社の冒険を応援していただけると嬉しいです。
higotoメンバー一同
「higoto」の船出を、ぜひ応援してください!
higotoのこと、立ち上げメンバーのまみこさん、ヘレンさん、yukikoさんについてもっと知りたい方はぜひこちらのnoteをどうぞ!
これからの活動について
せとかわデニムプロジェクト終了後の瀬戸内かわいい部は、いったん初心に返って、ゆっくりと、「瀬戸内のかわいいモノ・コトを探す」活動を行っていく予定です。瀬戸内の海のように穏やかな優しさを感じるモノ、物語を感じるモノ、いいようのない愛おしさを感じるモノ、人のあたたかさを感じるモノ……そんな魅力ある何かとまた新たに出会って行けたらと思っています。
よかったらみなさんも「瀬戸内ってかわいい」という視点で自分のまちを見つめ直してみてください。そして瀬戸内で「かわいい」と感じるものを見つけたら #瀬戸内かわいい部 #せとかわ でSNSで発信してみてください。せとかわイズムを共有しあう仲間たちと、ゆるやかに、あたたかく、つながっていきましょう。もしかしたらその繋がりから新しいプロジェクトが生まれるかも……そんな未来も思い描いています。
最後に改めて。ここまでデニプロを見守ってくださって、本当にありがとうございました。そしてこれからも瀬戸内かわいい部とデニプロメンバーの今後を応援してくださったら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします!
瀬戸内かわいい部/せとかわデニムプロジェクト
みなみ