出来事はわかった。 で、あなたの意見は?
「Reikoはどう思うの?」。
20代で1年だけNY留学した際よく聞かれた言葉です。
「出来事はわかった。で、あなたの意見は?」。
何が起きたかという出来事だけ話して、
それについての自分の意見を答えられないのは
恥ずかしいことなんだ、と知りました。
英語は身に付かなかったけど、
強制的に I think と because を考えさせられたのは、
つくづく貴重な体験でした。
NY留学では、例えば相手に責められたとき、
すぐ「ごめんなさい」と言って終わりではなく、
「私としてはこうだったの」と、
自分の考えや状況をしっかり伝え、
その上で、必要ならばごめんなさいを言う、
そうしたやりとりも学びました。
映画でも、そういう場面、ありますよね?
ミスした人が「私はこう思ったんだ」と、意見する。
日本なら、黙ってうなだれる場面になりそうなのに、
ミスして人に迷惑をかけても、ちゃんと自分の意見を述べる。
文化の違いを感じる場面です。
開き直るのはどうかと思うけど、
考えを述べるのは私は大切だと考えます。
私にも具体的な出来事があります。
1年間のNY暮らしの中で、最初の2カ月間は
大都会のマンハッタンから川を渡った
ブルックリンでホームスティしました。
ホストファミリーは、パパ・ママ・小学生の息子と大きな犬。
ママは私の4倍くらいあって、ハグするとふわふわでした。
ホームステイは当初、2カ月間の約束でしたが、
途中で私は「3カ月いさせてほしい」とお願いし、
OKをもらっていました。
ホームステイが始まったのは6月。
2カ月後の7月末はサマーバケーションの頃だから
マンハッタンでアパートを探すのは大変だよと、
語学学校で聞いていたからです。
でも、7月に入って試しに探してみたら、
2軒目ですぐ、条件に合う部屋に出合っちゃった。
41th East 5 tudorcity.
studioで狭いけど、家具が揃っていて、静かで、
ミッドタウンで、最寄り駅はGrand Central Station.
なんといっても安全な地帯です。
ここに住みたい! というか、住む!
そこで、ホストファミリーのママに理由を話し、
やっぱり当初の2カ月で出たいと伝えました。
せっかく来た、憧れのニューヨークです。
橋を渡ったブルックリンの町よりも、
あの摩天楼の中へ、
マンハッタンのど真ん中に身を置きたかった。
ママは、「Reikoが延長したいと言ったのに」と
ちょっと不満気でしたが(それも当然)、
すでにNYっぽい考えを持ちつつあった私は、
「ごめんなさい」だけでは終わらせませんでした。
記憶では、こんな風に言ったと思います。
「ごめんなさい。でも仕方なかったの。
夏休みはアパートが見つからないと聞いていたから。
ほら、私はNYのアパート事情は知らないでしょう?
だから不安になるのは仕方ないと思うの。
それで、3カ月いさせてほしいと言ったの。
そのときは本当にそう思ったの。
でも試しに探してみたらすぐ見つかって、
あの部屋を逃したくないの。
だから分かってほしいの」
みたいなことを、
下手な英語で一生懸命、伝えました。
ママは分かってくれて、
マンハッタンのアパートに入居するために
「この人(私のこと)は信頼できる人です」
的な書類を快く書いてくれました(不動産会社に提出)。
家を出てからも、
一度、夕食に招待してくれました。
ありがとうございます♡
優しいママで、私は恵まれていました。
話を戻すと、
要するに「私はこう思う」を
自分の言葉で言うって大事です。
NYに暮らさなかったら、
私はもっと意見を言わない人だったかもしれません。
…いや、それは困る。
私は「愛を持って言いたいことを言う」人生を生きるのだ。
本当に行ってよかったです。
毎日、
いろいろな情報がいろいろなところから届きます。
それは単なる5W1H の情報として、
あるいは喜びと共に、
はたまた怒りと共に。
そして私は問いかけるのです。
「で、私はどう思う?」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?