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落ちないフォークと浜風に捧ぐ

真夏、金属バットの音が鳴り響く。俺の一番嫌いな音だ。
野球から離れてはや8年が経つ。もはや、高校野球は遠い遠い出来事になっていた。

俺が最後に投げたフォークは、2年後のドラフト1位になる1年生のバットに乗って、浜風をもろともせずスタンドに放り込まれた。

悔しさより痛かった。右ひじが吹っ飛んだ感覚があった。
俺は致命傷ともいえるけがを負った。
でも、野球を辞めなかった。

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