味はプレーン、中身はドロドロドロ
変わらないなぁといまだに思う。
12年前。姉の言葉を聞くまであたしに悪意は無かった。
近くのスーパーで万引きを繰り返していたのだ。
最初は友達に誘われて始めたその行為が犯罪だとは気づかずに、いつのまにか一人でもやっていた。
漏れるほど怒られた。母は怒りながら泣いていた。
そして今。
発酵したヨーグルトのように熟した女になった。
さっぱりした顔は純和風だが、心はドロドロだ。
世間的に言う結婚詐欺師をしている。
「騙したのか……?」
「いえ」
そんなつもりはない。ないのだ。