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秘密結社きつね福/文学フリマ東京36報告

文学フリマ東京36に出展しました。もう1ヶ月前のこと。

今回の新刊「アンソロジー 夢でしかいけない街」は100+献本用6冊を会場に持ち込みまして、ありがたいことにすべて完売しました。め〜〜〜ちゃくちゃ嬉しい。


上のリンクにある通り厚みが16.2mmあるので、重さもさることながら物理的に持ってゆくのがたいへんで、手持ちのキャリーケース+登山用のリュック+紙袋×2でどうにかこうにかという感じ、アンソロジーなので数が本当に読めませんでしたが、120冊くらい持ってゆく腹づもりでした。どう考えても宅配搬入にすればよかったし、自宅にダンボールが5箱届いたときはどうしようかと思った。オビは手巻きしなければならなかったので「いやあ前日にオビを巻くため自宅に届くようにしたんだよね!」など言い訳をしていましたが、印刷所からの梱包を解いてオビを巻いてからキャリーなどに詰めたらオビがぐしゃぐしゃにならんか??と思い至り、結局ほとんどの数を開場前に現地で巻きました。見通しが甘すぎる。

そもそも持ち込みの冊数に関しても(事前告知でかなり反応もいただいていたのでいけるかも……?)という希望と(100冊なんて夢の数字か……?)などの不安とが反復横跳び、実際は嬉しい方向に読み違えて帰りの心配が取り払われたのはよかったです(行きは友人に車を出してもらっていた)。

208頁ながら「砂漠が街に入りこんだ日」よりも厚い

ただ、売り切れたぶん会場でお買い求めいただけなかった方がいらしたのは間違いなく、特に出店している方々は、自分のブースが落ち着きそう!やっと動ける!と見極めるタイミングが難しく(今回は来場数が1万越え、離席はなんらかの好機を逸する可能性が多かったため尚更)、お越しいただいたときにはもう通販のお知らせをすることしか……という状態になってしまいました。その節はたいへん申し訳ありませんでした。次に生かしたいと強く思うものの、1タイトルの持ち込み分が100冊で足りないなんらかを作ることはこの先なかなかないだろうなという悲しい気持ちもあり……。

それに加えて、いつもは友人と一緒に出展しているか隣のブースだったのですが今回は完全にひとりのブース、実際にやってみてひとりだとさすがに厳しいな〜をひしひし感じました。離席のタイミングもそうだし(ご挨拶にうかがいたかった方々にもほとんどお会いできず)、100冊捌くとなると買いにきた方とおしゃべりする時間もあまりとれず……。シュッと本を渡してお金をいただきそしてシュッと次の方……みたいな味気ない流れになってしまう時間帯もあって、せっかく顔が見れて、どういうところが気になって買っていただいたかを訊けるタイミングなのにな〜という反省がすごい。ご飯も食べず、ペットボトルの水をちみちみ飲んでました。数年ほど文フリ東京に出展してきて、ずっと忙しないなんて正直はじめての経験だったため完全に私の想像力が足りていませんでした。う〜〜ん。

文学フリマ東京36のあとは、

・瀬戸のオンラインショップ
・東京 機械書房さん
・埼玉 小声書房さん
・埼玉 つまずく本屋ホォルさん
・大阪 犬と街灯さん
・京都 ブックスエスメラルダさん
・香川 TUGBOOKSさん
・長崎 本屋ウニとスカッシュさん

で取り扱っていただいています(8/31現在、小声書房さんは売切)。機械書房さん、つまずく本屋ホォルさん、犬と街灯さん、ウニスカさんではオンライン販売も行っておりますので、もしよければ覗いてみてください。ウニスカさんのみ初刷りバージョンです。

ということで、ありがたいことに初刷りの216冊すべて手元から離れました。寄稿いただいた作品たちが本当にどれも素晴らしかったので「さもありなん!」+「たくさんの方に届けられてマジでよかった〜」の気持ちです。安堵安堵。なるだけ作品を読んでもらえるよう気合の入れた佇まいにしたのもあり、かなり気に入っている1冊でもあるのでめ〜〜〜ちゃくちゃ嬉しい。ありがとうございます。
 

初刷りバージョンということでお察しかもしれませんが、さっそく増刷版をこしらえました。24日に到着予定だったのが印刷所がスケジュールを巻きに巻いて17日に届けてくれました。それなりの太客だと思ってくれたのか? 内容自体は変わっていません。ただ初刷りの本文用紙は軽くて厚い(割高な)ものを使用していましたが予算の都合でオーソドックスな用紙に。初刷りよりも本体は薄いのにずっしり重くなってしまい、わかってはいたけれどやはりちょっと悲しい。具体的には16.2mmが11.5mmへ。5mmほど違ったらかなり大ごと。

初刷りの隣に並ぶとこんな感じ

背幅が変わったので初刷りのオビを使い回すこともできず、増刷用に新しくデザインしてます。地色を黒ではなくニュアンスのある濃青色に変更し、グレーの文字が初刷りに比べてさらに特色銀っぽく見えるかな〜と期待していたものの、発色がにぶくてちょっと見通しが甘かったかも……?という感じ、でも友人に聞いてみたら「いや気にしすぎっしょ」とのことなのでどうやら思ってたよりも銀っぽく見えるらしいです。チェケラ。

増刷版

いまは瀬戸のオンラインショップでも増刷版の取り扱いをはじめつつ、新しく置いていただける本屋さんをちょっとずつ探しつつ、という感じです。ひとまず動きは穏やかなので、通販の宛名書きをしている最中に新たな注文が入り、スマートレターが途中でなくなってコンビニまで買いに走ることもありません。あの瞬間しか分泌されない脳内物質がある、ので、これから5000冊売れてくれ。またダンボールたちが部屋で自らの存在を主張している。
 

そんな状態なので、おそらく秋に開催する文学フリマ東京37に持っていくぶんは残っていると思います。通販とかじゃなくて実際に目で見てたしかめたいんだけど!の方はお越しくださると幸いです。今回は冊数が読めなすぎたため見本誌コーナーは利用しておらず、ブースへお越しくれた方から「これって見本誌に置いてませんよね?」と言われたりしたので(その方はそれなりの時間をかけて全体に目を通して買っていかれた)、目の前に作り手がいる状態で「読んでいいですか?」って聞いて手にとって読んで購入を考えるのってけっこうガッツがいるよな、それがあれだけブース多いと毎回そのやりとりをするだけで消耗するよなと思い、ちゃんと見本誌も用意する腹づもりです。書くたびに当日の至らない点が目につきすぎてウゥとなってる。

文学フリマ東京37の新刊は「蛇蠱の子」の続きを作って持ってゆく予定ですが、もしかしたらぜんぜん違うことになるかもしれません。予定は未定。出展するつもりはあります。まだ申請すらしてませんが……。

というわけで、たいへん遅くなりましたが弊ブース「秘密結社きつね福」に足を運んでいただきまして誠にありがとうございました。これからもどうかご贔屓に、どうぞよろしくお願いいたします!

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