瀬戸千歳

作家、デザイナー。第14回江古田文学賞佳作、第29回舟橋聖一青年顕彰文学賞、第56回香…

瀬戸千歳

作家、デザイナー。第14回江古田文学賞佳作、第29回舟橋聖一青年顕彰文学賞、第56回香川菊池寛賞受賞、第37回日大文芸賞受賞。第1・2・4回阿波しらさぎ文学賞最終候補。第3回ブンゲイファイトクラブ本戦出場。ご依頼お待ちしています。

ストア

  • 商品の画像

    アンソロジー 名刺をめぐる記憶あるいは空想

    「ーーを忘れない」 名刺に残ったメッセージと 「百崎尋」をめぐる14編の記憶。 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 口絵6・本文206、全212頁 秘密結社きつね福 作中に登場する名刺が付録でつきます 小説:伊藤なむあひ「生猫作り」 今がいつかって? 私たちはそれをカンマ一秒の誤差もなく共有しており、だからこそ外部からの情報は必要なかった。私たちはもう長い時間をそのようにして過ごしており、私たち以外を求めるなんてことは遥か昔にしなくなっていた。 小説:犬山 昇「草の上の三重奏曲」 さまざまな商売の試みの中で、少なからずうまく行ったのが日記商売だった。名刺大の紙片に、その日の出来事や、心情を書く。それを治療として行う一群があった。記録は、たとえば薄紫のアールグレイの紅茶缶や、三日月の標章があしらわれた黒い焼き菓子の容器など、各自が気に入った小箱に収納されていた。 小説:大木芙沙子「オーロラ」 ポラリス・カーウォッシュは町にひとつだけある洗車場だった。従業員はレイとテオの二人だけ。雇われ社長のグエンはほとんど表には出てこずに、たいてい裏で金勘定か電話かサッカー賭博のどれかをしている。敷地内にはコンテナみたいな掘っ立て小屋の事務所と、車が二台までは入れる駐車場、それにやっぱり掘っ立て小屋みたいなガレージがひとつある。 小説:尾八原ジュージ「ねずみが出る」 わたしたちはそういうものを、決まって「ねずみ」と呼んでいた。 小説:紅坂 紫「酒神(あるいはくいとめる)」 前で、からだに魂をつなぎとめているのだから。記憶を部屋につなぎとめているように、気配を場所につなぎとめているように。誰かの苗字か、名前のどちらかを忘れてしまったとき、あなたのからだを作っている血や骨からそのひとの魂は削り取られてしまっている。 小説:坂崎かおる「ヒーロー」 いつごろからだろうか、百科事典が届くようになった。ブリタニカ。一冊ずつ、不定期に届いた。救世軍や支援団体経由で来たが、差出人はわからない。ただ、ときどき、名刺が挟まっていた。「百崎尋」。モモサキ・ヒロ。 小説:鮭とば子「初恋」 薬をやるようになったのは、おれがまだ十七とかそこらの可愛い子供だった頃だ。高校時代は勉強も部活もなんにもやってなくてとにかく暇で、誘われたらどこでも行くようにしてたらよくわかんないパーティに連れられるようになって、ある日友達の先輩の先輩の知り合いの、みたいな関係の人から薬をおごってもらう。 小説:瀬戸千歳「虎の埋葬」 はじめからいない虎の不在によって私たちの関係はあっけなく壊れてしまった。 小説:鳥山まこと「タイムカプセル」 土以外の他の何かを、自分は掘ったことがあるだろうか。硬そうな地表面にスコップを突き刺しながらコウタは思った。力をかけて掘り起こし、えぐれた土を眺めながらその何かを思い出そうとしたが、すぐには思い出せなかった。 漫画:橋本ライドン「或る福の神からの手紙」 就活で連敗中の私をみかねた両親から渋々明かされ 知り合いの神族経営の会社に裏口就職した 小説:蜂本みさ「記憶の蟻塚」 日曜日、あなたは汗をびっしょりかいて目を覚ます。大学の卒業式で実は単位が足りていなかったと発覚する夢を見たのだ。春なのに電気毛布の温度を高くしすぎたせいだろう。夢の中のあなたは黒地に牡丹の散った着物に薄紫の袴をつけ、誰かとセルフィーを撮りまくっていたが、やってきた大学事務の人に留年を告げられ、膝から崩れて泣きわめいた。 小説:安河内瞳「君の葬式には行かない」 その男は俺に永遠の命を与えると言った。 小説:吉田棒一「インダストリーストリー」 寮メシを食べながら会社の昔話を聞く。昭和の時代は環境対応がいい加減で、祝坐化学も海に汚染物質を垂れ流していたこと。稲津野の漁業組合と付き合いがある理由はそれで、今でも毎年「寄付金」名義で事実上の上納金を収めていること。生野さんと金さんは当時のことを知っていて、少し後ろめたそうにしている。 写真・短歌:ヨノハル「昼の光に」 遠ざかるほどに根雪はかがやいて記憶のための手旗となって 名づけても名づけてもなお憎しみはきみを苛む野火の熱さで 写真:ヨノハル 企画・編者・装幀:瀬戸千歳
    1,650円
    真夜中文庫
  • 商品の画像

    閑窓vol.5.1 道辻の(ささやかな)灯り

    閑窓vol.5「道辻を灯す」の舞台だった架空の商店街、祝坐町商店街に新たなお店が新しく4店舗加わりました。全4篇収録。 梅の季節/丸屋トンボ 長年連れ添った妻に先立たれた夫は、一年も経つと呆けるそうだ。医者は娘の心構えのためにと親切心から伝えたのだろうが、傍聞きした夫の三木夫にとっては気分が悪い。今年で米寿を迎えても、なぜか耳は遠くならなっていない。 付憑/瀬戸千歳 カガノさんは風呂がきらいなので、ひとりになりたいときは銭湯へいくことにしている。蒸気のなかにいては境目がますます曖昧になってしまうらしい。それじゃあ銭湯は霊とかいないんですかと、いつだったか尋ねたことがある。そういうんに頓着せんアホみたいなんがおる。 名もなき骨/熾野優 このバス停は車庫の次の停留所にあたるため、毎朝バスの到着が遅れることは決してない。いつも同じ時刻のバスに乗るので並ぶ人たちの顔ぶれも覚えていて、眼鏡をかけた長身だが猫背のサラリーマン、オフィスカジュアルといった服装の茶髪の女性、そしてこうやってバスを待つ間にようやく目が覚めてくる私が続く。 顔燕(ツサカ)/Yoh クモハ 黒い翼が初夏の空気をバターナイフのように切り取っている。商店街をツサカが飛ぶようになると汗ばむ季節だ。ツサカは軒先に巣を作る鳥だ。縁起のいい鳥だと言われているが、フンも落ちるし、食べ物屋には歓迎されない。 挿  画:橋本ライドン デザイン:瀬戸千歳 写真:ヒロセミサキ 口絵:椎木彩子 イラスト:橋本ライドン 装幀:瀬戸千歳 閑窓社 2024.5.18 初刷発行 B6版/28ページ/中綴じ本
    300円
    真夜中文庫
  • 商品の画像

    アンソロジー 非実在神様(増刷版)

    八つの神様、八つの祈り。 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 本文148頁 秘密結社きつね福 御札デザインのシール付属 2023.11.11 初刷り 2024.05.18 増刷 再増刷版です オビのデザイン、本文の一部が初刷りから変わっています 犬山 昇「デュッセルドルフの神さま」 水子おばさんの部屋は、水際の最下層にある。ひび割れが目立つ築四十年のアパートは、入口が四階にある。彼女以外に住人の気配はないし、他の部屋はすべて硝子窓が黒のテープで覆われている。目の前はリゾート再開発に失敗した湖で、最寄りのJR駅から五キロ歩いたところに、その湖上アパートの入口はある。 大木芙沙子「お正月さん」 そのひとは、私たちが遊んでいるところへある年ふらっとやってきた。仏間は大人たちがお酒を飲んでいる居間から便所へ通じる廊下の途中にあったから、便所へいくついでに私たちの姿を確認していく大人はいたけれど、そのひとは居間とは逆方向の廊下から歩いてきて、「おじゃまするね」とふすまを開けて、後ろ手でそれを閉めると、すとん、とその場に胡坐をかいた。 尾八原ジュージ「おまよい様の住む家は」 おまよい様を見た。黒い子どもの影のようなものが古地川さんの家の門から出てきたと思ったら、ぴゅんと走って角を曲がった。わたしはとっさに追いかけた。遅れて曲がった角の先に、その姿はもうなかった。 木古おうみ「虚渡しの日」 虚渡しの神が現れる期間はほぼ五十年毎だ。直近で現れたのは二十一年前だから、後三十年近くは安全だ。出たとしても、神に遭遇する確率は飛行機事故より遥かに低い。 紅坂 紫「高峰」 その日、高峰は月見団子をふたつ買ってきた。島で唯一の和菓子屋の名が入ったビニール袋を揺らして、土間に立ったままわたしを呼んだ。気分が良かったのだろう。デジタルノイズのような顔を色とりどりに変えながら大きな声で笑っていた。 鮭とば子「たいか様」 たいか様。その漢字には複数の説があるけれど、大抵は『大禍』と『対価』が選ばれる。「大禍を呑めば対価を与える神様」ということがわかりやすいからだ。 瀬戸千歳「生まれたばかりの泉」 死者に会える泉のうわさを耳にしたことはあったけれど、それにまつわるアルバイトがあるとは思ってなかったし、まさか受かるとも思っていなかった。どれくらいの倍率かは知らないけれど受かったのは僕だけだった。 橋本ライドン「らぶらぶ様」 まったく 信じる力はおそろしい。 企画・編集・装幀:瀬戸千歳 ※付属シールを貼った書影は初刷り時のものです。
    1,300円
    真夜中文庫
  • 商品の画像

    アンソロジー 名刺をめぐる記憶あるいは空想

    「ーーを忘れない」 名刺に残ったメッセージと 「百崎尋」をめぐる14編の記憶。 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 口絵6・本文206、全212頁 秘密結社きつね福 作中に登場する名刺が付録でつきます 小説:伊藤なむあひ「生猫作り」 今がいつかって? 私たちはそれをカンマ一秒の誤差もなく共有しており、だからこそ外部からの情報は必要なかった。私たちはもう長い時間をそのようにして過ごしており、私たち以外を求めるなんてことは遥か昔にしなくなっていた。 小説:犬山 昇「草の上の三重奏曲」 さまざまな商売の試みの中で、少なからずうまく行ったのが日記商売だった。名刺大の紙片に、その日の出来事や、心情を書く。それを治療として行う一群があった。記録は、たとえば薄紫のアールグレイの紅茶缶や、三日月の標章があしらわれた黒い焼き菓子の容器など、各自が気に入った小箱に収納されていた。 小説:大木芙沙子「オーロラ」 ポラリス・カーウォッシュは町にひとつだけある洗車場だった。従業員はレイとテオの二人だけ。雇われ社長のグエンはほとんど表には出てこずに、たいてい裏で金勘定か電話かサッカー賭博のどれかをしている。敷地内にはコンテナみたいな掘っ立て小屋の事務所と、車が二台までは入れる駐車場、それにやっぱり掘っ立て小屋みたいなガレージがひとつある。 小説:尾八原ジュージ「ねずみが出る」 わたしたちはそういうものを、決まって「ねずみ」と呼んでいた。 小説:紅坂 紫「酒神(あるいはくいとめる)」 前で、からだに魂をつなぎとめているのだから。記憶を部屋につなぎとめているように、気配を場所につなぎとめているように。誰かの苗字か、名前のどちらかを忘れてしまったとき、あなたのからだを作っている血や骨からそのひとの魂は削り取られてしまっている。 小説:坂崎かおる「ヒーロー」 いつごろからだろうか、百科事典が届くようになった。ブリタニカ。一冊ずつ、不定期に届いた。救世軍や支援団体経由で来たが、差出人はわからない。ただ、ときどき、名刺が挟まっていた。「百崎尋」。モモサキ・ヒロ。 小説:鮭とば子「初恋」 薬をやるようになったのは、おれがまだ十七とかそこらの可愛い子供だった頃だ。高校時代は勉強も部活もなんにもやってなくてとにかく暇で、誘われたらどこでも行くようにしてたらよくわかんないパーティに連れられるようになって、ある日友達の先輩の先輩の知り合いの、みたいな関係の人から薬をおごってもらう。 小説:瀬戸千歳「虎の埋葬」 はじめからいない虎の不在によって私たちの関係はあっけなく壊れてしまった。 小説:鳥山まこと「タイムカプセル」 土以外の他の何かを、自分は掘ったことがあるだろうか。硬そうな地表面にスコップを突き刺しながらコウタは思った。力をかけて掘り起こし、えぐれた土を眺めながらその何かを思い出そうとしたが、すぐには思い出せなかった。 漫画:橋本ライドン「或る福の神からの手紙」 就活で連敗中の私をみかねた両親から渋々明かされ 知り合いの神族経営の会社に裏口就職した 小説:蜂本みさ「記憶の蟻塚」 日曜日、あなたは汗をびっしょりかいて目を覚ます。大学の卒業式で実は単位が足りていなかったと発覚する夢を見たのだ。春なのに電気毛布の温度を高くしすぎたせいだろう。夢の中のあなたは黒地に牡丹の散った着物に薄紫の袴をつけ、誰かとセルフィーを撮りまくっていたが、やってきた大学事務の人に留年を告げられ、膝から崩れて泣きわめいた。 小説:安河内瞳「君の葬式には行かない」 その男は俺に永遠の命を与えると言った。 小説:吉田棒一「インダストリーストリー」 寮メシを食べながら会社の昔話を聞く。昭和の時代は環境対応がいい加減で、祝坐化学も海に汚染物質を垂れ流していたこと。稲津野の漁業組合と付き合いがある理由はそれで、今でも毎年「寄付金」名義で事実上の上納金を収めていること。生野さんと金さんは当時のことを知っていて、少し後ろめたそうにしている。 写真・短歌:ヨノハル「昼の光に」 遠ざかるほどに根雪はかがやいて記憶のための手旗となって 名づけても名づけてもなお憎しみはきみを苛む野火の熱さで 写真:ヨノハル 企画・編者・装幀:瀬戸千歳
    1,650円
    真夜中文庫
  • 商品の画像

    閑窓vol.5.1 道辻の(ささやかな)灯り

    閑窓vol.5「道辻を灯す」の舞台だった架空の商店街、祝坐町商店街に新たなお店が新しく4店舗加わりました。全4篇収録。 梅の季節/丸屋トンボ 長年連れ添った妻に先立たれた夫は、一年も経つと呆けるそうだ。医者は娘の心構えのためにと親切心から伝えたのだろうが、傍聞きした夫の三木夫にとっては気分が悪い。今年で米寿を迎えても、なぜか耳は遠くならなっていない。 付憑/瀬戸千歳 カガノさんは風呂がきらいなので、ひとりになりたいときは銭湯へいくことにしている。蒸気のなかにいては境目がますます曖昧になってしまうらしい。それじゃあ銭湯は霊とかいないんですかと、いつだったか尋ねたことがある。そういうんに頓着せんアホみたいなんがおる。 名もなき骨/熾野優 このバス停は車庫の次の停留所にあたるため、毎朝バスの到着が遅れることは決してない。いつも同じ時刻のバスに乗るので並ぶ人たちの顔ぶれも覚えていて、眼鏡をかけた長身だが猫背のサラリーマン、オフィスカジュアルといった服装の茶髪の女性、そしてこうやってバスを待つ間にようやく目が覚めてくる私が続く。 顔燕(ツサカ)/Yoh クモハ 黒い翼が初夏の空気をバターナイフのように切り取っている。商店街をツサカが飛ぶようになると汗ばむ季節だ。ツサカは軒先に巣を作る鳥だ。縁起のいい鳥だと言われているが、フンも落ちるし、食べ物屋には歓迎されない。 挿  画:橋本ライドン デザイン:瀬戸千歳 写真:ヒロセミサキ 口絵:椎木彩子 イラスト:橋本ライドン 装幀:瀬戸千歳 閑窓社 2024.5.18 初刷発行 B6版/28ページ/中綴じ本
    300円
    真夜中文庫
  • 商品の画像

    アンソロジー 非実在神様(増刷版)

    八つの神様、八つの祈り。 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 本文148頁 秘密結社きつね福 御札デザインのシール付属 2023.11.11 初刷り 2024.05.18 増刷 再増刷版です オビのデザイン、本文の一部が初刷りから変わっています 犬山 昇「デュッセルドルフの神さま」 水子おばさんの部屋は、水際の最下層にある。ひび割れが目立つ築四十年のアパートは、入口が四階にある。彼女以外に住人の気配はないし、他の部屋はすべて硝子窓が黒のテープで覆われている。目の前はリゾート再開発に失敗した湖で、最寄りのJR駅から五キロ歩いたところに、その湖上アパートの入口はある。 大木芙沙子「お正月さん」 そのひとは、私たちが遊んでいるところへある年ふらっとやってきた。仏間は大人たちがお酒を飲んでいる居間から便所へ通じる廊下の途中にあったから、便所へいくついでに私たちの姿を確認していく大人はいたけれど、そのひとは居間とは逆方向の廊下から歩いてきて、「おじゃまするね」とふすまを開けて、後ろ手でそれを閉めると、すとん、とその場に胡坐をかいた。 尾八原ジュージ「おまよい様の住む家は」 おまよい様を見た。黒い子どもの影のようなものが古地川さんの家の門から出てきたと思ったら、ぴゅんと走って角を曲がった。わたしはとっさに追いかけた。遅れて曲がった角の先に、その姿はもうなかった。 木古おうみ「虚渡しの日」 虚渡しの神が現れる期間はほぼ五十年毎だ。直近で現れたのは二十一年前だから、後三十年近くは安全だ。出たとしても、神に遭遇する確率は飛行機事故より遥かに低い。 紅坂 紫「高峰」 その日、高峰は月見団子をふたつ買ってきた。島で唯一の和菓子屋の名が入ったビニール袋を揺らして、土間に立ったままわたしを呼んだ。気分が良かったのだろう。デジタルノイズのような顔を色とりどりに変えながら大きな声で笑っていた。 鮭とば子「たいか様」 たいか様。その漢字には複数の説があるけれど、大抵は『大禍』と『対価』が選ばれる。「大禍を呑めば対価を与える神様」ということがわかりやすいからだ。 瀬戸千歳「生まれたばかりの泉」 死者に会える泉のうわさを耳にしたことはあったけれど、それにまつわるアルバイトがあるとは思ってなかったし、まさか受かるとも思っていなかった。どれくらいの倍率かは知らないけれど受かったのは僕だけだった。 橋本ライドン「らぶらぶ様」 まったく 信じる力はおそろしい。 企画・編集・装幀:瀬戸千歳 ※付属シールを貼った書影は初刷り時のものです。
    1,300円
    真夜中文庫
  • もっとみる

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介など

お初にお目にかかります。瀬戸千歳と申します。 ちまちま小説を書きつつ、本業はマンガを中心とした書籍関係のグラフィックデザイナーをやっています。 瀬戸内で育ったので海が舞台の話や怖かったり不思議な話をよく書きます。大学では林芙美子と宮沢賢治、大学院ではドストエフスキーの研究をしている先生に師事していました。 デザインのお仕事は個人的にもお受けしています。お店のロゴやらイベントのフライヤー、脱出ゲームの冊子、フリーペーパーの誌面組み、文芸同人誌の表紙や文字組みなどを作っています

    • 20241101-1110

      20241101「日曜日に諸々の返信を送ります」の連絡、定時で帰る。仕事終わりに後輩と飲みにゆく。赤星の大瓶3本いただく。学祭直前なので町全体が明らかに浮ついていた。後輩は先日上海へひとり旅にも出ていたし香港の映画が好きなイメージがあったので先日観た「国境ナイトクルージング」を勧める。神からスーザンへのバレエシューズ。 20241102大学の友人たちと母校の文化祭をまわる。13時半に集合して一瞬だけ外に出ている屋台を見るが年々数が減っているように思う。加えて天気が悪いため中

      • 20241021-31

        20241021働く。終わらない。最寄駅の沿線じゃない路線から30分かけて歩けば終電が30分くらい伸びることに気づいた。あんまし知りたくなかった。 来年5月に開催される文学フリマ東京40の応募が土曜日からはじまっていて先着2400ブースまでは抽選対象外、来年2月の中頃まで募集しているので39の手応え次第かなと思っていたらすでに853枠埋まったらしい。すご。流通センターのキャパシティでは収まりきらず会場をビッグサイトに移したのも驚きだし開催が近づいてくるとあれこれ宣伝が飛び交

        • 20241011-20

          20241011冷蔵庫にあるアルコール類を飲んじゃおうと思い立って350mlのビールひと缶と750mlの白ワインをズバズバ飲む。途中でチェイサーの水がなくなったので買いに出た際アイスが急に食べたくなってスーパーのPBの箱アイス(7本入り)も手に入れて帰って引き続き飲んでいたが、どうやら疲れていたようで酔っ払ってしまって気づいたらすっかり寝落ちていた。起きたらアイスの中身がすべて消えており哀れな残骸だけがある。家で飲むのはよくない。自制心の弱ければなお。 ◯ 2024101

        • 固定された記事

        自己紹介など

          20241001-10

          20241001日記が1ヶ月続いている。偉すぎる。CLAMP展の図録を買おうか迷っていたがやっぱり買おう!せっかくだし!と思ったら受注の締切は9月末までだった。まったく偉くない。 出社して粛々と仕事を進める。ようやくラジオのいまの編成に慣れてきたかなと思ったら番組じたいは変わらないものの大きくコーナーにテコが入り、しかもあんまり向いていなかった。かつて後輩が「いまの職場だとずっとJ-Waveが流れてて合わないんですよ魂が!」と嘆いていたが、その頃の私は生活は踊る→たまむすび

          20240921-30

          20240921イラストレーターさんとオンラインの打ち合わせ。丁寧にヒアリングしていただいて作品集の方向性がなんとなく決まってくる。「おばけがモチーフとして出してほしいとありましたが、おばけはどんなタイプですか?」と尋ねられたときにミッフィーに出てくるおばけみたいな、などもにょもにょ答えたら「ああシーツ被ってる系の」とすぐさま返されて鮮やかだった。これから私も使うようにしますシーツ被ってる系。先方のお仕事関連としてはデヴィッド・ロウリー「A GHOST STORY」の方が伝わ

          20240911-20

          20240911エアコンの工事が9時から入るとのことで午後から出社にして立ち会う。業者さんはご夫妻みたいだ。立ち会うと言っても作業中は寝室には入れない。建物が古いせいかどの現場でも等しくしているのかは知らないが「石綿障害予防規則」により専用の防護具がないと同じ空間にいられないらしく「喫煙飲食は禁じる」やら「十五条により立ち入りを禁止します」などの強い文言が書かれたプレートを、寝室と廊下を隔てたドアの前にずらっと並べてタブレットを使って写真を撮っていた。ちゃんと守ってましたよの

          20240901-10

          2024090133歳になった抱負を「日記をつける」に決めた。当日8月30日からやろうと思っていたがすでにはじめの2日ぶん欠けている。毎日を目標にしているが無理しない程度に続けたい。継続を力とする。 私の誕生日翌日の恒例となった近所のパン屋へ恋人といく。直前まで激しめの雨が降っていたせいか店内利用はひと組のみ。パンの種類も少ないがいつも頼むクロックマダムはまだあった。パテの盛り合わせとトースト1枚+フレッシュチーズを注文、恋人は季節野菜のサンドイッチ。私のクロックマダムをひ

          秘密結社きつね福/文学フリマ東京38報告

          先月のことになりますが文学フリマ東京38に出店しました。 見本誌・執筆者への献本をふくめ、新刊『アンソロジー 名刺をめぐる記憶あるいは空想』は101冊、既刊『アンソロジー 夢でしかいけない街』『アンソロジー 非実在神様』はそれぞれ15・25冊と持ち込み分が完売しました。め〜〜〜〜〜ちゃくちゃ嬉しいです。あとお預かりしていたフリーペーパー『ミッドナイト』も用意していたすべてを手にとっていただきました。足を運んでくださったみなさま本当に本当にありがとうございました!遠方からいら

          秘密結社きつね福/文学フリマ東京38報告

          秘密結社きつね福お品書き/文学フリマ東京38

          5月19日に開催される文学フリマ東京38のお品書きと簡単な説明です。 「秘密結社きつね福」は第二展示場の2階[つ-18]にブースをかまえます。今回はアンソロジーを3タイトル、個人本1タイトル、委託されたフリーペーパー1タイトルを持っていく予定です。 『名刺をめぐる記憶あるいは空想』新刊のアンソロジー、テーマは「架空の名刺」です。「百崎 尋」という架空の人物の名刺が作中に登場するというレギュレーションのもと、14人の作品(小説12、漫画1、写真+短歌1)が載っています。 書

          秘密結社きつね福お品書き/文学フリマ東京38

          名刺をめぐる記憶あるいは空想/文学フリマ東京38

          【新刊のおしらせ】アンソロジー 名刺をめぐる記憶あるいは空想 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 口絵6・本文206、全212頁 小説・短歌・漫画・写真の全14編 作中に登場する名刺付き イベント価格1500円 [書き手] 伊藤なむあひ/犬山昇/大木芙沙子/尾八原ジュージ/紅坂紫/坂崎かおる/鮭とば子/瀬戸千歳/鳥山まこと/橋本ライドン/蜂本みさ/安河内瞳/吉田棒一/ヨノハル [Webカタログ] つ-18 秘密結社きつね福 [イベント情報

          名刺をめぐる記憶あるいは空想/文学フリマ東京38

          今年の諸々2023

          いまだにnoteだと狐面スーツである。 書いたり作ったりなど、今年やったよ!のまとめです。今年は公募賞に向けた作品にぜんぜん取り組めず、こないだからよしやるぞ〜!と書き出してはいるものの、ちょっとやらなくなると途端に体力がなくなるもんですね。ナムナム。 1月 CALL magazine vol.2 「恵方」掲載 紅坂紫さんが編集長を務めるフラッシュフィクション専門誌に呼んでいただいた。しかもviol.2である。めっさ嬉しい。毎週月曜日にコンビニで印刷できるネットプリントで

          今年の諸々2023

          秘密結社きつね福/文学フリマ東京37報告

          文学フリマ東京37に出店しました。 見本誌・執筆者への献本をふくめ、新刊『アンソロジー 非実在神様』131冊、既刊『アンソロジー 夢でしかいけない街』は26冊ほど手元から旅立っていきました。め〜〜〜〜〜ちゃくちゃ嬉しい。あとお預かりしていたフリーペーパー『ミッドナイト』も用意していた100部すべて手にとっていただきました。本当にありがとうございます! 『夢街』初版の束幅16.2mmで『非実在神様』は8.5mmのため前回の文学フリマ東京36に持っていった106冊の1.5倍く

          秘密結社きつね福/文学フリマ東京37報告

          非実在神様/文学フリマ東京37

          【新刊のおしらせ】アンソロジー 非実在神様 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 小説と漫画の全8編・本文148頁 御札風デザインのシール付き イベント価格1200円 [書き手] 犬山昇/大木芙沙子/尾八原ジュージ/木古おうみ/紅坂紫/鮭とば子/瀬戸千歳/橋本ライドン [Webカタログ・お品書き] す-28 秘密結社きつね福 [イベント情報] 開 催:2023年11月11日(土) 時 間:12:00~17:00(最終入場16:55) 入場料

          非実在神様/文学フリマ東京37

          MacBookが壊れた/壊した

          せっかくだから瞬間の感情を書き留めておかなきゃと思って書いている。PCが壊れました。正確にいうと動いてる様子はあるけど画面がまったく映らなくなりました。 使っていたのは2019年製MacBook Pro 16インチで、コロナ禍に入ったタイミング、在宅作業での必要性に迫られて慌てて買ったやつ。本体が24万円、作業効率を上げるためにワイヤレスのキーボードやらマウスやら諸々のアクセサリーもつけてだいたい27万円くらい。会社は27インチのiMacで縦長のサブモニターもつけてデュアル

          MacBookが壊れた/壊した

          秘密結社きつね福/文学フリマ東京36報告

          文学フリマ東京36に出展しました。もう1ヶ月前のこと。 今回の新刊「アンソロジー 夢でしかいけない街」は100+献本用6冊を会場に持ち込みまして、ありがたいことにすべて完売しました。め〜〜〜ちゃくちゃ嬉しい。 上のリンクにある通り厚みが16.2mmあるので、重さもさることながら物理的に持ってゆくのがたいへんで、手持ちのキャリーケース+登山用のリュック+紙袋×2でどうにかこうにかという感じ、アンソロジーなので数が本当に読めませんでしたが、120冊くらい持ってゆく腹づもりでし

          秘密結社きつね福/文学フリマ東京36報告