トラペジウム感想
「井芹仁菜のような女がみたいのかい」
「東ゆうが特異な女だ」
「だったらトラペジウムだ」
「この映画は評価(ジャッジ)を受けるべきだ」
「トラペジウムを見ろ」
範馬刃牙の気分で、行くことにしました。
結果
めちゃくちゃ真っ当な夢追い人の話だった。
東ゆう
東ゆうは打算的で、人を利用したり、暴言も吐くような嫌なやつかもしれない。
ただ、あれほどまでにアイドルという「夢」に真剣な姿を少なくとも私は嫌いになれない。
東ゆうが「自身を嫌なやつ」と評したときに、ゆうの母親の「そういうところも、そうじゃないところもある」と返したシーンがとても好きだ。
仮に「そんなことないよ」と言われたら、ゆう自身が納得いかなかっただろう。
実際に西南北も「この子のここはどうなの?」という瞬間はたくさんあったんだろうけれど、それでも大切な楽しかった時間やきっかけをくれたいい部分、「いい子」の部分を知っているから、最後まで友達であったと思う。
神の視点で見ると、「普通の女の子の範囲」の悪さ、視野の狭さで良かったし、それが可愛らしくもあった。
(「男との写真が出てきたら~とか言いながら、シンジと何回会っているんだよ!」とか言ってはいけない)
烏滸がましいね。
でも、最後にアイドルになり、4人とも友人をしている東ゆうを見るとさ、やっぱりかっこいいと思うわけ。
幼少期から夢を見続けて、努力をして、失敗をして、自分も周りも傷つけて、それでも10年以上やってきて、掴んだ夢。
それだけの努力や夢を見続けることができた人がどれだけいたかということ。
東ゆう かっこいいぜ。
西南北の諸々
「ボランティア仲間じゃなくて、友達っていってほしかった」ってキレてくる北ちゃん怖いぜ
「男問題で揉める」という情報は知っていたので、「誰だ」って思いつつ、「わからん」「あー、東とシンジがすっぱ抜かれるやつか?」と思い始めたら、北ちゃんだったぜ。俺はいつもこう。
あんなに「東」「東」だったのに、彼氏いるの黙っているし、終盤の「恋愛って大事?」に対して、「大事な人ができたらわかるよ」みたいな返しに「ファーwwwwwww」ってなった。
最初西ちゃんが東ゆうに塩対応だったのシンジとのあれこれがあるのかな?って思ったけれど、特に描かれなかったね
仲の良い友だちとのあれでも、テレビ取材をドタキャンする西ちゃんロックだぜ
南さんがかなりのバランサーというか、二次エンジンだった。多分東一人だと他の二人はついてこなかったろうけれど、南さんが楽しそうに手を引いてくれたり、後ろから押してくれるからみんなあそこまで走れた。走れちゃったよね。(少し二階堂千鶴さんを想起してしまうのは私の悪いところ)
南さんに対して「苦手ならできるようになるまでやればいいじゃない」みたいなことを言う東ゆうさんに、"北"なんとかさんを思い出して、ニコニコしてしまった
作中の芸能界の話
自身は普段は「アイドルマスター」のゲームをやっており、多少の差はあれど、「アイドルが向いている子」がめちゃくちゃいっぱいでてくるゲームである。大分世界は「善」寄りだ。
一方、東ゆう以外の西南北はアイドルを目指していたわけではなく、東の策略によって、芸能人になってしまった。
(策略というのはガバガバだったり、運の部分も多分にあった。)
ただやっぱりアイドルに向いていなかった。
というより、アイドルになれて、続けれられる人は特別なフィジカル、メンタルを持った人なんだと感じる。
作中の芸能界の大人たちだって、無茶振りやブラックな仕事と思ってやっているわけではない。
この世界ではこれくらいが当たり前で、芸能界の常識なので、特別極悪には描かれていなかった。
優しくないとかではなく、ああいった厳しい要求をしてくるのが芸能界なんだ。と
それがとても清々しかった。
こがさんもよかったね。この人の明るさが大分心強かった。
お話と関係ないの
・上田麗奈とか早見沙織的な発声って流行っているの?(実際に上田麗奈さんはいた)
おわりに
冒頭にも書いたように、今回トラペジウムを見たのはSNSでの感想を見て興味を持ったからだ。
より詳細に書くと、ガールズバンドクライの感想をSNSで漁っていたら、井芹仁菜と違う方向でいい性格の女がトラペジウムにいるというネタのよう話があり、本当にそういうきっかけだ。
実際にみると井芹仁菜も東ゆうもすごく面白い女で、わからされちゃって悔しい。
こんな人によってはくだらないような理由でもいい作品に出会えたんだから、アンテナは多少張っていたほうが良いと改めて感じた。
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