9歳からの夢。「書く」で叶えた小さな一歩
書いて収入を得るようになって5年。
取材や書籍紹介記事、また書籍のリライトのお仕事をいただき、書いて伝えることの難しさ、奥深さを痛感しています。
すると次第に、”物語を創作してみたい” と思うようになりました。その思いはどんどん大きくなり、この度『ポケットアンソロジーの作品リフィル』という形態でちいさな物語を編むことが叶いました。
このnoteでは、ライター活動をしていた私がなぜ物語を創作することになったのかについて書きました。
強みがなく、平凡な人生をこのまま送るのだろうかと思い悩んだことはないでしょうか。
そんな人にはなおさら、このnoteを読んでいただければ私の書いた物語を読んでみたい!と思っていただけるかも……なんて期待も込めました笑。
強みのない平凡で中途半端な人生を変えたい
「いるべき場所はここじゃない」
「わたしにも強みがあるはず!」
仕事で嫌なことがあるたびにそう思っていました。どこで働いても「強み」は見つかりません。
「これが私のいるべき場所だ」と思える居場所はなく、気づくと40歳を過ぎ、強みのない平凡で中途半端な人生を送っていました。
「とにかくこんな自分を何とかしなきゃ」
せき立てられるように自分探しを続け、やがて書くことに興味があったことから「ライター」の世界に飛び込みました。そして大好きな「本」と掛け合わせ、「本ライター」と肩書きをつけた名刺を持つに至ります。
会社員とライターのダブルワーク。合間にはしっかり読書の時間を楽しむ。そんな日々を送っていたある日のこと。
Xを見ていたら「書きたいが書けるに変わる創作講座」のポストが目に入りました。
このポストを見て心が躍りました。
本を書き、つくり、本屋経験もできるなんて、本好きには見過ごせない講座内容です。
物語をつくりたい欲求は9歳の頃から。
同時にあることを思い出しました。
9歳の頃だったと思います。通っていた小学校ではクラブ活動があり、私は「物語をつくる」クラブに入っていました。
物語と言っても小学生が書く短い物語です。各自好きなようにお話しをつくり、原稿用紙に手書きしていた思い出があります。
このクラブは書くだけではありません。地元新聞の日曜版で連載している「お話しコーナー」へ応募することが最終目標です。
私の書いた物語も学校を通じて新聞社へ送られました。
選ばれたとしたら新聞に掲載される日曜日の朝。めずらしく早く目が覚め、家族の誰よりも早くポストへ新聞を取りに行きました。
「お話しコーナー」が掲載されている場所まで急いで紙面をめくります。すると、見覚えのあるタイトルが目に飛び込んできました。
なんと私の書いた物語が載っていたのです!
私はすっくと立ち上がり、新聞を手に急いで台所へ向かいました。朝なのにバタバタと大きい足音を立て、「見て!!」と、両親や祖父母に自慢げに見せました。
家族みんなに褒められ大満足。まだ誰も目を通していない新聞を切り抜き、自分が書いた物語を何度も読み返しました。
……9歳の頃のこんな出来事、ずっと忘れていました。
本が好きだったことも、物語を書くことも、ずっとずっと前から私の人生に存在していたのです。
ずっと、強みがない自分に自信が持てず、遠回りしていました。回り回って、小さいときから好きだった「本」「書く」「物語をつくる」ことにやっと落ち着くことができました。
とはいえ、創作講座に申し込むには迷いがありました。
「受講料に見合う成果が出せるのか」
「授業についていける?」
「創作したところで読んでくれる人いる?」
ですが、やらないで後悔するのは絶対に避けたい!幸いにも、個別相談会があったのでそれらの不安は解消され講座生となりました。
自分探しをしていた私を物語の主人公に。
この講座で、私は「小説」に挑戦することにしました。テーマについては迷うことはありませんでした。
「私のことをモデルに書こう」
山も谷もなく50年生きているけれど、それなりに悩み、辛いことを乗り越えてきました。そのなかで考えたことや分かったことがあります。逆に、そんなに悩むことでもなかったな、なんてこともあったり。
そういったことを小説のなかで描いてみたい。主人公には私と同じことで悩んでもらって、戦ってもらおう。ドキドキ、ハラハラするような物語でなくても私と同じようなことで悩んでいる人に、ちょっとでも心が軽くなってもらえたら大満足。
そんな思いを込めて出来上がった主人公像とあらすじはこんな感じです。
《作品名》『55歳女子、ゆっくりレジで自分を取り戻す?』
創作が佳境に入り、第2稿が出来上がるとお互いの作品を読み合います。
すると、信じられない出来事がありました。
帰りのエレベーターを待っている私のもとへ、受講仲間が駆け寄ってきました。そして、私の書いた物語のとある一文についてこう言ってくれました。
「あのセリフの中に、これまでの悩みが解決した主人公の想いが込められていてとてもよかったです」
一瞬、何を言われているのか理解できませんでした。
こんなことが起きるんですね。ゼロイチで編み出した物語に対して、評価をしてもらえるなんてことが。
書いて良かった、そう心から思えた出来事でした。
続編執筆中です!
暑い盛りの8月中旬。ついに私の書いた物語が「ポケットアンソロジー」の「作品リフィル」となって仕上がってきました!
私の編んだ物語の「作品リフィル」のページをめくったとき、真っ白な紙の中で物語の登場人物たちが生きているような気がしました。
と同時に私の横で、9歳の小学生の私が見ているような錯覚を覚えました。その9歳の私に心の中で「40年越しに再び物語を書いたよ」と自慢しました。
さて、次は完成した「作品リフィル」を読んでもらうための販売戦略が必要です。どうせ書いたのならやっぱり読んでもらいたい!
「書いて売る」のは初めての経験です。
この物語を読んで共感し、小さな一歩でも前に進む後押しができたら、ガッツポーズものです。
【ポケットアンソロジー作品リフィル購入場所】
この作品には続編があります。
ただいま絶賛執筆中!主人公の成長はまだまだこれからです。
そして50歳を迎えた私の成長もまだまだこれからです。今回「物語を書く」ことを叶えましたが、これは小さな一歩です。
小さい行動を起こすと波が起き、次に向かう道が見えてくるのだと思います。
ということで、ポケットアンソロジー作品リフィル『55歳女子、ゆっくりレジで自分を取り戻す?』をぜひお読みいただき、ご自分の人生と照らし合わせてみて下さい。