最近読んで面白かった本
わたしが、大人になってできなくなったことの一つに「泣けなくなった」があります。子供の頃は転んだだけでも泣き喚いていたのに、今は泣けません。いや、むしろ転んだだけで泣く27歳を想像したらゾッとするでしょう。ですが、重い気持ちを流す為に、やっぱり涙が必要な時ってありますよね。そんな時、もう大人になったわたしは、本の力を借りて泣きます。今日は、そんな大人になっても泣ける本をご用意しました。かなり、心抉られますので奥様は旦那さんがゴルフで家を開ける時に、旦那さんは奥さんが友達とカフェに出かけた時に、一人暮らしでもバイトや仕事が休みの日に、読むことをお勧めします。笑
No.1「かか」宇佐見りん
これは、ここ数ヶ月で1番の大当たり本でした!最年少で、三島由紀夫賞受賞、さらに、今年の芥川賞も受賞された若き天才、宇佐見りんさんの処女作です。19歳の浪人生うーちゃんは、大好きな母親(かか)のことで悩んでいます。かかは、離婚を機に心を病み、酒を飲んでは暴れるように………今まで神のように尊敬していた母が崩れていく姿、そして、うーちゃん自身も引きづられるように小さなSNSの空間に心を閉ざしてしまいます。19歳の肩からはみ出した、大きな葛藤や家族という縛りに、うーちゃんは、どのように向き合うのか?えぐられ度が半端ないのに、読み切るとマラソンを走り切った後のような気持ちよさがある一冊です。
No.2「わたしの全てのわたしたち」サラ・クロッサン
あるところに、グレースとティッピという双子がいました。ある日、彼女たちは高校2年から学校に通うこととなります。2人は、結合双生児で腰の下から体が繋がっています。故に、今まで学校という場所ではなく家で勉強をしていたのですが、治療費などでお金が足りなくなり学校に通わなくてはならなくなったのです。誰よりもふたりでひとり。ひとりずつ、なのにふたりぼっち。そんな彼女たちが、学校で出会ったはじめての友達。そして、初めての恋………日記形式で語られていく形が、主人公の心の動きをより近くに感じることができます。最後、おそらく涙なしには読みきれない、そんな一冊です。
No.3「最初の晩餐」常盤司郎
映画化もされており、本好きじゃなくとも「あれ?最近この名前聞いたような…」という方もいらっしゃるかもしれません。とあることがきっかけでバラバラになってしまった家族が、父の通夜で久しぶりに集まります。ぎこちない空気の中、母は一風変わった「通夜ぶるまい」の料理を振る舞います。目玉焼きから始まり、焼き芋、ピザ………それらはすべて家族の思い出が詰まった料理たち。机に並ぶ料理に合わせて、家族はそれぞれ父との思い出を回想し、そして、ついに家族がバラバラになった「あの出来事」の真相に迫っていきます。王道ほっこりの要素もありつつ、胃もたれしない優しい文で安心して綺麗な涙を流せます。自分の家族の風景と重ね合わせながら読むとさらに泣けます。
ということで!今回は大人になった今だからこそ読みたい「泣ける本」を紹介しました。たまには、泣いて心に溜まった泥を洗い流して楽になりましょう!ぜひ、ご活用ください。