最近読んで面白かった本
ご無沙汰してます。月に一曲、新曲を発表することが決まり、予想はしていたものの精神的にも時間的にも怒涛の日々を送っております。が、こんな状態でも合間を見つけては読書をしてしまう私は、本が好きなんだな、と改めて痛感します。まぁ、読書の時間を削って働けばもうちょっと楽になるのかもしれませんが………(笑)
というわけで、最近読んで面白かった本を紹介したいと思います。
#原田マハ #リボルバー
「誰が引き金を引いたのか?」
パリにある小さなオークション会社「キャビネ・ド・キュリオジテ」、通称CDCで働きながらゴッホとゴーギャンの研究をしている冴の元にある日、とある夫人が錆だらけのリボルバーを持ってきます。なんの変哲もないリボルバー、さらに状態も悪いとあって出品する価値なしと冴の同僚は判断するのですが、夫人の口から衝撃の発言が飛び出します。なんと、このリボルバーは「ゴッホを撃ち抜いたリボルバー」だと言うのです。その話を聞いてなんとかこのリボルバーをオークションに出品し、苦しい経済状況だったCDCの立て直しをしたいCDCオーナーは、冴にリボルバーの調査を命ずるのでした。
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ゴッホとゴーギャン、のコンビは不動の人気ですよね。短い共同生活であったのにも関わらず、作品を見比べるとお互いに強く影響しあった二人であったことは一目瞭然。親友説、いやはやBL?などなど、時代超えて私たちの妄想を掻き立ててくれます。にも関わらず、生前に日の目を見ることが叶わなかった二人。そして、何よりゴッホの絶命に関してはさまざまな憶測が語られています。一番よく聞くのは「自殺説」ですが、今回はなんと大胆な「他殺説」で物語は進んでいきます。
ですが、原田マハさんの豊富な知識によって物語が浮かずに、きちんと現実味を帯びて進んでいきます。一枚も絵が売れず、家庭も持てず、弟に依存するしかなかった孤独なゴッホの方が、数枚は絵も売れて、妻や愛人もいるゴーギャンよりも不幸だと思われがちですが、実は違ったのではないか?と、問いかけてくる丁寧な二人の比較の描写。そして、最後のどんでん返しと、最後まで本を読む手を止めさせないスピード感のある一冊でした。
去年、発売された「 #風神雷神 #原田マハ 」は、ゴッホとゴーギャンも影響を受けたとされる浮世絵をパリに持ち込んだ日本人の物語なのですが、テオとゴッホも登場しますので、「リボルバー」とは違った角度からゴッホを感じたい方は是非そちらもおすすめです。
では、また面白い本と出会えるその日まで。