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Sアパートメントの記

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2020.4.6

2020.4.6

朝、目覚めてふいに、今日から日記をつけてみようと思い立つ。

晴れ。

文章の仕事がある。しかし気持ちが追い付かずやれなかった。

書き途中の歌を完成させようと歌ってみた。まるでしっくりこない。名曲への道のりの途中、轍の一部になる曲かもしれない。とはいえこの曲なしにはまだ見ぬ先にある名曲には到達しない。やらなくてはならない。

読書はリチャード・パワーズ「オーバーストーリー」、カフカ「訴訟」を並行

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2020.4.7

2020.4.7

晴れ。

昔作った歌が急に懐かしくなって何曲か歌ってみた。
「オレンジフェリー」という歌では、四国に向かう船上の風を。
「キャンディBOX」という歌では、三軒茶屋の夜の喧騒を思い出した。

思い出すという時間が意外と今のこの気分の晴れない毎日に寄り添ってくれる。
またいつか皆さんの前でも披露できたらと思う。

ベランダに出てみた。
しばらく京都の繁華街には出ておらず、おっかなびっくり近くのスー

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2020.4.8

2020.4.8

晴れ。

昨日の夜、人通りが少なくなったのを見計らって図書館の返却ボックスに借りていた本を返しに行った。中心街から少し外れたこんな地域でも途中でヒャハってる若者の集団がいたり、どこかの大学の部活だろうか、ぺちゃくちゃしゃべりながら大勢でジョギングをしている集団がいてげっそりしてしまった。パチンコ屋の音だけが街にこだましているのも不気味だ。緊急事態宣言が7都市に出されたわけだが、出された街ですら緩み

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2020.4.9

2020.4.9

晴れ。

近くの図書館が明日から休館になる。むしろ今まで開けていてくれて非常に助かった。滑り込みでポール・オースターの「サンセット・パーク」を借りる。

こんな時だからこそ〇○しよう、という言葉が素直にきつい時がある。何もしたくない時は何もしないでいい。ほげほげ過ごす。

グッズ通販での買い物の送料を無料にした。昼間にその旨をツイートしたところ、何人もの方から注文が入る。率直にありがたく、とても嬉

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2020.4.10

晴れ。

支払いなどの事務作業の為、外出。

近所の書店で、又吉直樹「東京百景」の文庫、今村夏子「木になった亜沙」を買う。「東京百景」は又吉さんの著作中、最も好きな本で、エッセイがひとつ加筆されている(とてもいいエッセイだった)のが嬉しい。

この本に出てくる下北沢のブルースのおっさんには私も絡まれたことがある。「池尻大橋の小さな部屋」は皆さんの中にも好きな方が沢山おられるかと思うが、何度読んでも

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2020.4.11

2020.4.11

晴れ。

ここのところ土日は配信を欠かさずやっている。
歌はもちろんのこと観て下さる皆さんとコミュニケーションしたい。

読書は、又吉直樹「東京百景」、ポール・オースター「サンセット・パーク」。

2020.4.12

2020.4.12

雨。

昼過ぎに配信をした。
いつもはリクエストを戴きながらやりたい曲をやる感じだが、今日はある程度セットリスト(と言っても、やる曲を絞って決めておく程度ではあるが、)を作ってみた。二月の初め以降ライブをしていないから、セットリストを決めてみるだけでもライブ前の高揚感があって、なんだか嬉しい。プラスでリクエストも戴き、ありがたかった。
「ペリカン時代で逢いましょう」という新曲を試す。東京に行った時

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2020.4.13

2020.4.13

雨。

今日は喫茶店の日。
しかし喫茶店に行けないので、昔の写真を見たりして気持ちを和ませる。
京都なら翡翠、花の木、六曜社。
東京ならピース、伯剌西爾、ラドリオ、ショパン。
行きたいな。
古本を買って喫茶店で読む。
当たり前だった自分の楽しみが、今は遠い日の思い出になってしまった。

山川直人さんがビックコミックオリジナルに連載している「写真屋カフカ」の最新話に出てきたミュージシャンのビジュアル

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2020.4.14

2020.4.14

晴れ。

原稿ひとつ書き終わる。

ポール・オースター「サンセット・パーク」読了。

同時代に生きるフォークシンガーに幸あれ。
何より私に幸あらんこと。

2020.4.15

2020.4.15

晴れ。

通販で沢山の御注文を戴いている。本当にありがたい。大変な時期にも関わらず、自分を必要としてくれている人がいると思うだけで泣けてくる。私も好きなお店にお金を落としたい。特にお世話になっている書店や飲み屋に。

読書はマイケル・オンダーチェ「ディビザデロ通り」を読み始めた。

2020.4.16

晴れ。

昨日、通販を開始した「モモイトリ2020映画特集号」が完売した。(私はドラ映画についてのエッセイを書いた。)ありがたい。発行元のモンガ堂さんをはじめ通販をしているところが何箇所かあるので、気になった方はチェックしてみて下さい。

昔々に作った歌が今、急に自分の核心に迫ってきた。こういう事はたまにある。常日頃、自分は毎分毎秒、進化しており、昔の自分は今の自分より良いわけがないと思い込んでい

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2020.4.17

晴れ。

読書椅子をポチる。

部屋の片付けがてら積ん読をジャンル毎に分ける作業に熱中してしまう。
読書椅子をポチっといて矛盾するようだが多分、そのほとんどを今は読まないだろう。本にはタイミングというものがある。

SNSで東京の行きつけのバーのマスターが歌っている動画が流れてきて、嬉しくなった。

うたつなぎ、自分もやったけれどあれを嫌う人がいる事もよく分かる。
ただ私達、歌い手はその人が欲した

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2020.4.18

雨のち晴れ。

他にもっと大変な人たちが沢山いるのに、自分程度が悩んだり、苦しんではいけないのだという強迫観念がいつもどこかにくすぶっていて、そのことで気を落とすことがある。

こういう時になんでもないものが摂取したくなる。なんでもない時間が支えになる。そして立ち直る。

すぐに立ち直れる阿呆さも僕の良さだ。

また明日から生活を続けていく。

読書は、マイケル・オンダーチェ「ディビザデロ通り」、

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2020.4.19

晴れ。

15時より配信。昔の歌やカバーも。ディランⅡの「プカプカ」、ジュディアンドマリーの「BLUE TEARS」、リクエストいただき前野さんの「青い部屋」、「さみしいだけ」を。
前野さんには思い入れがあり過ぎる。あの人がいたから歌を続けてこられた。良い意味でも、悪い意味でも。大概の歌い手が何をしていてもほとんど気にならないが、あの人だけはいつまでも意識してしまう。

「ひとりぼっちのふたり」と

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