No.10【配布後のよもやま】役を取っ払った仲代達矢さんはどんな人?
こんにちは。陰山です。
世田谷十八番No.10「90歳の舞台裏」の配布がついに始まりました!
すでにお手に取っていただいた読者の皆様、なかなか見つからないよ~という十八番難民の皆様、お待たせして申し訳ありません!
配布にご協力いただいている、通称「十八番friends」にてお手に取っていただけます。ぜひ足を運んでみてください。
配布場所はこちら↓
創刊号から足掛け2年…。
普段は「世田谷に住む60歳以上の先達」を対象として、メディアに取り上げられることのない、
良い意味で普通の先達に取材をお願いしていますが、
節目となる10号にふさわしく(?)、役者の仲代達矢さんにインタビューをさせていただきました。
配布前からこの情報を聞きつけ
「ついこの間、もらいにいらっしゃった方が~」とか、
「ちょうど今聞かれたところよ~」と、行く先々の十八番friendsオーナーの方から伺いました。
noteまで見てくださっているかしら…。
できることなら手渡したかった…。
どうかお手元に届いていますように!
さて、先述の通り、世田谷十八番No.10「90歳の舞台裏」には、役者・仲代達矢さんが登場します。
ここまでに至った経緯は、まりえさんの書いた先読み記事にて触れられていますので、
こちらも合わせてどうぞ↓
このご縁を聞くまでは、どんな奇跡があって仲代さんまでたどり着くんだ…と疑問に満ちていましたが、
創刊号でご協力いただいた革職人・雲野博年さんの奥さま、まりこさんのご紹介だと思うと、
こうしてインタビューができたのは十八番にとって運命だったんだという気がしてなりません。
とはいえ、若輩者の私にとって、仲代さんの功績やその凄さは、正直どれもピンとこないもの。
「大御所だ…!」というのはわかっていても、”渋めのイケオジ”くらいの感覚なわけです。
渋めのイケオジ…どんなお話が聞けるのか、期待しながら取材に同行…
は残念ながら叶わず。後日、インタビューの様子をテープ越しに聞きました。
第一声から伝わってくる、積み重ねてきた人生
「仲代です。」
声に年輪があると知ったのは、初めてのことでした。
テープ越しでも伝わる、静かで深い海のような声…。
渋めのイケオジなんて軽いもんじゃない。ちょっと前までの自分が恥ずかしくなるような感覚です。
91歳。戦争経験者。辛く酷い気持ちを経験したからこその人生観、
そこから役者を目指すに至った経緯など、
テレビや舞台、映画など、役を通して知る仲代さんの顔ではなく、
一人の男性・仲代達矢さんのお話を聞けたことは、とても貴重な機会です。
亡くなられた奥様・宮崎恭子さんへの想いを語るところは特に印象的で、
多分、この時の仲代さんの顔は緩くなっているんだろうな~と、テープ越しから表情が伝わってくるほど、
宮崎さんのお話をされている仲代さんの声はとても穏やかでした。
わざわざ書かなくとも想像に容易いけれど、
「役者」という職業をとても誇りに思っている様子もひしひしと伝わります。
どんな質問をしても、全てたどり着くのは「役者について」。
仲代さんから役者を取ったらどうなってしまうんだろう…と心配になるほど、役者を愛していらっしゃいました。
いつまで経っても心は少年のまま
舞台と映画業界に多くの功績を残し、少しくらい驕ってもお釣りが出るんじゃない?という気持ちさえ抱いてしまうけれど、
そんな仲代さんは「次の役の声はどのあたりから出そうか」と思案している少年でした。
純粋に役に向き合い続ける仲代さんの姿から、
「いつも正直であること」
「常に思考を止めず歩み続けること」
「好きなことを突き詰めること」
を教えてもらった気がします。
ビッグゲストをお迎えしたNo.10ですが、
十八番のデザイナーで奇才・峯山さんの手によって、裏面もかなり攻めたデザインとなりました。
びっしり文字だらけの中に、十八番メンバーの想いが綴られています。
これから始まる十八番の第二章はどんなものになるのか…。メンバーである私もあまり想像がつきませんが…。
楽しみにしていただけたら嬉しいです。
(私だけちょっと毛色の違うコメントで実は結構恥ずかしい。先に言ってくれたらよかったのに…)
できるだけたくさんの方に誌面を読んでほしいけれど、
発行部数に限りがありますので、見つけたらお早めにお持ち帰りください!
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