No.06【配布後のよもやま】食卓を大事にする松本さんの想い
こんにちは。天野です。
世田谷十八番No.06を手にしてくださった方々、読みたいと思ってくださっている皆様、ありがとうございます!
今回の先達「da nonna(ダノンナ)」の店主・松本さんに興味を持った方も多いのではないでしょうか。
よしえさんが書いた【配布前の先取り】でこぼれ話を読むと、ますます気になってしまうことでしょう。
さて私はというと、取材でお邪魔して以来ご無沙汰していたので、ご挨拶も兼ねて、というのは名目で。ダノンナさんのお料理が食べたかったのと、噂のオリーブオイルが気になったので今年に入り2回ほど行ってきました。
年始の十八番フレンズとグルメ旅に続いて、グルメレポートのようになってしまいますが、「おいしいはうれしい」の信条を持つ身としてブレることなく突き進みたいと思います。
辛さと旨さの臨界点【韓国安東カルビ温麺】
こちらはよしえさんも食していましたね。
ダノンナで一番人気を誇る辛口カルビスープの麺。
柔らかいお肉と、玉ねぎ人参大根などのお野菜がクタクタになるまで煮込まれています。野菜の甘さが存分にスープに溶け込んでいるので、旨味の後に優しい辛さが追いかけてくる感じ。
大きめにカットされた葱にシャキシャキピーマン、たっぷりの胡麻。
冷麺みたいな弾力のある半透明の麺がまた美味しい。
食べ進めると半熟卵が顔を出します。この卵があれば辛いものが苦手な人もいけるのでは。
とはいえ、辛いものが大好きな母親による唐辛子英才教育により、私は辛さへの耐性が相当高いので参考にならないかも。
召し上がる際は自己責任でお願いします。
でも多分、本当にそんな辛くないよ。
透き通るおいしさ【韓国安東カルクッス】
うどん好きな5歳の娘が2回連続で注文したカルクッスは、塩味カルビスープうどん。
乳白色のスープに浮かぶのは、透き通る大根とスープをたっぷり吸ったホロホロお肉。うどんは平べったくてもっちり系。
優しい塩味のスープは、これだけでもゴクゴク飲みたい。
おすすめは、途中で自家製キムチを入れること。このキムチがまた美味。
市販のものはタレの辛味を強く感じることが多いけど、ダノンナのキムチは最初に白菜の味をしっかり感じた気がします。
取材時に聞いた「本当の韓国料理は野菜を食べるものよ」という言葉を思い出しました。
キライな人なんていない【韓国ソルロンタン】
こちらは白濁スープの牛肉入り牛骨スープごはん。上品な雑炊みたい?
旨味が滲み出たスープを吸い込んだごはん。これを好きじゃない人っているのでしょうか?
斜め切りの葱、散りばめられた粗挽き胡椒。
あなた方ってば何でそんないい仕事をするのですか。
食べている途中で松本さんに「プリプリのアキレス腱も入れておいたから、食べたらお肌ツルツルよ」と言われ。
一瞬えっと思ったけど、歯がいらないとろけ具合でとても美味しかった。
おしゃれな美味しさ【ノンナ風ナポリタン】
夫は無類のナポリタン好き。お店のメニューにナポリタンを見つけたら、どうしてもそちらへ流される傾向にあります。
ダノンナでも例に漏れず。
なつかしのナポリタンとの呼び名もあるけれど、とてもオシャレなパスタでした。老舗の喫茶店で出てくるような真っ赤なケチャップスパゲティ(もちろん、それも大好きだけど!)とは一線を画す一品。
ゴロゴロ野菜にソーセージ、もっちもちの生麺。
ダノンナのお料理はどれも、ソースの味を強く打ち出すより、素材を美味しく食べるための味付けが優しく施されているように思います。
隠れた一番人気【ビッグビーフバーガー】
山田編集長がオーダーした100%ビーフバーガー。カルビ温麺とツートップの人気を誇るメニューだとか。大きいバンズからはみ出るくらいのパテにチーズ、たっぷりのレタス。
こんな完璧なビジュアルのハンバーガー、なかなかお目にかかれません。
サイドにはピクルス、そしてポテトチップス。取材時の第一声で、よしえさんが食べようとして怒られたアレ。
ちなみにこのポテトチップス、娘が編集長からほとんど奪っていた。
静かに微笑みながら。コワイ。
後から来た常連さんぽいご夫婦もそろってハンバーガーを食べていました。
次は絶対食べるぞ。
思ったとおり怒られた
2回目は、我が娘を含めて4名で伺ったのですが、全員別々のものを注文しました。
大丈夫かしら…と思ったのも束の間、4つ目のオーダーを伝えた瞬間に「全員別々かよ!」と半分冗談、半分本気で言われました。
いや、ほぼほぼ本気だったかも。
でもね、そこにはちゃんと理由があるのです。
松本さんは「同じグループの人には同じタイミングで料理を出したい」という強い想いを持っている。
先に食べ始めている人と、まだ料理がきていない人がいる状態がイヤなのです。それでいて、子どもには一番に出してあげたい。
だから、私たちのグループはとても厄介。
子どももいるし、全員異なるものを頼んだから、4つの別料理を同時に出す段取りと、子どもの料理を一番に出す段取りをダブルで組み立てなければいけない。
しかも、うどん/ごはん/パスタ/ハンバーガー。
あれ、待って。
今4つを羅列して気が付きました。本当にひどいオーダーだ。
松本さん、ごめんなさい。
料理が美味しい本当の理由
その昔、私がマネージャーを担当していたビーガン料理人が一番大切にしていたのは「皆が一緒に食卓を囲むこと」
温かな食卓が人の心にどれだけ大きく働きかけるかを伝えるために料理をしているような人だったので、私の心にも深く刻まれています。
ダノンナへ行く度に「料理は同じタイミングで出したいのよ!」と言う松本さん。
圧強めの言葉に埋もれがちだったけど、わかった。
この人、食卓というものを心から大切にしている人なんだ。
思い返せば、松本さんは料理を出してからもちょくちょくテーブルへ現れます。
子どもはちゃんと食べているか、足りないものはないか。
赤ちゃん連れの人には、食べやすい取り皿を渡したり、熱いスープがかからないようにハンカチをかけてあげたり。
本当によく人を見ていて、とても温かい。
食卓の大切さを知っている人が作る料理は間違いなく美味しい。
これは私の持論。松本さんから見たらまだひよっこかもしれないけれど、私が自分なりに辿りついたこの説には自信があります。
神々しいオリーブオイル
取材時に採れたてが入荷したと聞いてずっと気になっていたオリーブオイル。
恐る恐る値段を聞いてみたら、120mlで2600円とのこと。
もちろん安くはないけれど、買えなくもない。迷っていたら「500mlの瓶もあるわよ」とニヤッとされたので、思わず「120のほうで!」と口走っていました。わお。
よしえさんも書いていた通り、申し訳なさそうに佇むオリーブオイルだったけど、瓶に注入されるその姿は神々しいという表現以外当てはまらないほどの美しさ。
頻繁には買えないとしても、この一瓶が我が家の食卓を華やかにしてくれることは間違いありません。
ちなみにこのオリーブオイル、顔のシミに塗っても効くそうですよ。
気になるでしょー。
なんだ、そのツンデレ
このnoteもそう言われるかもしれませんが、、、
お店に行ったとき松本さんが編集長に「あの(十八番の)記事、うちを韓国料理屋みたいに書いてるわね」と仰いました。
あら、内容は確認いただいたはずだけど実は少しご不満だった…?
さらに、私が一人でテーブルにいるとき松本さんがそっと寄ってきて、小声で「あの記事、書いたの誰?」と。
うわぁ、とうとう怒られる。背筋がピンと伸びた私と松本さんのやりとり。
私「サ、サフランというライターです」
松「あー、あの京都に住んでる子ね」
私「は、はい…。何か問題があり…」
松「よくまとまってるわ。上手に書けてる」
松「って、読んだ人が言ってたわ」
えー!私の緊張返して。勝手に心をジェットコースターに乗せられた!
しかも、怒っているようで褒めてくれたようで、結局誰かの言葉!
これだから、ダノンナはやめられない。
これから家族で末長くお世話になることでしょう。
お料理のことばかり書きましたが、ダノンナはコーヒー1杯でもOKなお店。
No.06も置いてあるので、コーヒー飲みながら十八番を読んで、松本さんとお話しするのも楽しいと思いますよ。