【備忘録】4年制大学の「2種免許」の教職課程設置について
先日、教育職員免許状について新たな方針が打ち出されました。
(※本記事は後日、改めて追加した内容を投稿する予定です)
高等学校教諭免許状には存在せず、幼稚園では広く普及する2種免許ですが、実際どうなっているのか。
今回は、校種別の免許状所有状況に着目して見ていきます。
各校種別教育職員免許状の種類
令和元年度の学校教員統計調査によると、各校種別教育職員免許状の種類については以下のようになっています。
表については、「認定こども園」や「義務教育学校」、「中等教育学校」のように2つ以上の校種や機関が一体となった教育機関は除外している点、特別支援学校の障害種別の統計も除外している点を予めご了承ください。
幼稚園教諭免許については一般的に短大等で「2種」を取得する者が多く、相対的に「2種」の割合が高くなっています。
小学校、中学校、高等学校は半数以上が「1種」となっており、中学校、高等学校と比べると「2種」の割合も一定数いることが確認できます。
また、学習者の年齢が高い校種ほど「専修」の割合が高く、「2種」の割合は低くなっています(ただし、高等学校教諭免許状に「2種」は無い)。
特別支援学校教諭免許状については、採用選考を受けた事があったり、実際に現場で働かれている方はご存知の通り、基礎となる免許状(小学校、中学校、高等学校など)があればよいこと、特別支援学校教諭免許状を持たない場合でも2種免許状の取得を働きかけていることから、「2種」と「なし」の割合が比較的高くなっています。
今回の方針を受けて、小学校と中学校における「2種」の割合が高くなることは間違いありませんが、どれほど高くなるかは未知数です。
さいごに
免許状の取得に際してこの記事を読まれた方につきましては、誤解のないよう述べさせていただきます。
免許状の種類によって、少なくとも採用上の不都合が生じる事はないと思います(というより、あってはならない事だと私個人は考えています)。
なぜならば、免許状の種類によって優劣があるとした場合、それは現に教育を受ける者の間にも格差があるものとし、教育に不平等性があることを表しているとも言えます。
専修免許状所有者だから、2種免許状所有者だから、といった議論は不毛であり、目の前にいる子どもへの教育に目が向けられるべきものである事は言うまでもありません。
ただし、上位の免許状所有は、高度な専門性や知識を示す一つの証明でもあります。それに関しては文部科学省も相応の処遇を行うべきであるといった考えもありました(参考:文部科学省:4.教員養成・免許制度に関するその他の改善方策)。