見出し画像

【組織開発】「安心安全の場」をつくる③相手に興味関心をもつワークショップの例

こんにちは、組織開発実践コーチの「はやまこ」です。
リアルな「組織開発」活動のため、「はじめ方」「活用方法」「人材育成」などをテーマに書いています。
今回は「安心安全の場」特集の3回目、組織開発で行う具体的なアプローチ方法をひとつ紹介します。

「得意技の共有」は難しい

前回コラムでは、安心安全の場づくりのために「相手に興味関心をもつ」ことを書きました。
ポイントは、自分の仕事にとって「メリット」を提供してくれる人を探すことです。

だとすると、それぞれが「自分が提供できるメリット」を「見える化」して「共有」しましょう、というワークショップが良さそうに感じます。
でも意外とこれはうまくいかないのです。

そもそも「自分は〇〇が得意です」と言うのは、ちょっと勇気がいると思いませんか?
それに「得意なら、これやっといて!」的に余計な仕事が増えそうな予感もします。
また、得意なことが10個あっても自信をもって「得意です」と言えるのは、2~3個くらいかもしれません。

こうして誰かが出し惜しみしている感じを漂わせると、その場全体になんとなく言いにくい雰囲気が生まれるのです。

ワークショップの例「不平不満・困りごとの見える化」

逆に、得意ではなくて「不平不満」や「困っていること」の「見える化」はいかがでしょう。
抵抗感が低いせいか、これがけっこう盛り上がるのです。

参加者のみなさんは、「不平不満・困りごと」の付箋紙を一人あたり10枚くらいあっという間に書いてくれます。
書き終わったら、グループ共有のために「対話」を行います。

話は「困っていること」の具体的な内容や、その背景などが中心になるでしょう。
コツは、日常業務が同じか、なるべく近いメンバーでグループをつくることです。

そこからは、次のようなやりとりが必ず生まれてきます。

後輩「〇〇の進め方がよくわからなくて、いつもすごく時間がかかります」
先輩「えっ!それって△△を見れば簡単だよ」
後輩「そうなのですか?知りませんでした」

いわゆるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)です。

後輩は誰に聞いたらよいかわかっていなかった。
 → 自分に具体的なメリットを提供してくれるのは誰か?を知る(学び)

先輩は後輩が何に困っているかわかっていなかった。
 → 後輩指導の効果的で具体的なやり方に気付く(学び)

こうして後輩は、次から「安心して」先輩に質問ができるようになります。
小さな「学び」ですが、それは個人にとって大きな「メリット」。
そして「メリット」を具体化する「プロセス」を体験できるワークショップなのです。

ワークショップの注意点

ワークショップの進め方について、大事なポイントを二つあげておきます。

【すべての付箋紙をていねいに共有する】
全員の「困っていること」を平等に扱って、安易に端折らないことです。
したがって、十分な時間を確保するのが大前提です。
1回で終わらなければ何回かに分けても構いませんが、すべてをカバーすることが大切です。

なぜなら、これは「安心安全の場」をつくることが目的だからです。
「私の困りごとは聞いてもらえなかった・・・」というのは絶対に避けましょう。
もし、その日欠席しているメンバーがいたら、後日同じことを繰り返すのも必要です。

【毎回必ず「振返り」をおこなう】
「見える化」と「対話」によって、必ず「学び」がおこります。
まず、各自の「学び」を言語化して共有する「振返り」をしましょう。
言語化(書き出す)することで「記憶」として定着させる効果を期待できますし、共有することで他の人の気づきがまた新たな「学び」にもつながるからです。

そして、チームリーダーや管理職の方々は、それらの「学び」がどのようにして起きたのか?、そのプロセスについて振り返ることを強くお勧めします。
これは、この先「学びを生み出すプロセス」を再現するために役立ちますし、人が成長させる「組織マネジメント」そのものだからです。


いいなと思ったら応援しよう!