[ITIL4]コアコンピテンシープロファイル
ITIL4のプラクティスガイドを見ると、人・組織の章の中で、役割分担(R&R)の話が記載されているのですが、ITIL4ではそれらに加えて、コアコンピテンシープロファイルという考え方が追加されています。
本日はコンピテンシープロファイル簡単にご紹介したいと思います。
1. コンピテンシープロファイル
コンピテンシープロファイルとは、各活動を実施するにあたり必要とされる行動特性をあらわしており、ITIL4では5つのコンピテンシーコードが定義されています。
L(Leader):
意思決定、権限移譲、他のタスクの監督、インセンティブやモチベーションの提供、成果への評価
A(Administrator):
タスクのアサイン、優先順位付け、記録、報告、ベーシックな改善
C(Coordinator/communicator):
複数の関係者間調整、継続したコミュニケーション、認知度向上活動
M(Method and techniques expert):
業務の技術設計および導入、手順の文書化、プロセス・業務分析・継続的改善などの支援
T(Technical expert):
ITエキスパートとしてアサインされ、専門能力を提供する
2. コンピテンシープロファイルの例
コンピテンシーは1つの活動に対して複数必要になるケースの方が多く、かつそのコンピテンシーも必要性に濃淡があります。それを表現するために記載ルールが決められています。
例えば、3つのコアコンピテンシーが必要なタスクがあった場合、メインとなるコンピテンシーがC、その次がA、その次がTであれば、「CAT」と表現されます。
例)
活動:
SLAをドラフトする
ロール:
リレーションシップマネージャ
サービスデザイナ
サービスオーナ
コアコンピテンシープロファイル:
CAT
特定のスキル:
・サービスプロバイダのポートフォリオに対する知見
・アーキテクチャや構成を含む製品(またはサービス)に対する知見
・業務分析
日本では役割が非常に曖昧になりがちなので、必要性についてピンと来ない方も多いと思いますが、人の採用や配置を検討する際、役割を職務分掌として定義するインプットとして非常に参考になります。
本日は以上です。ありがとうございました。