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[SIAM™ Q&A]⑦お勧めのITSMツールは?

Q:マルチベンダー管理にあたり、どのITSMツールがお勧めでしょうか?

A:ITSMツール検討の前に、目的を明確にしましょう。

IT部門の管理業務をデジタル化し、効果的・効率的なITサービス管理を実現するための手段として、ITSMツール統合があります。

もちろん、すべてのITサービスを自社で標準と決めたITSMツールで統合できると、様々な便益を享受できる可能性があります。

・・・が、それはあくまで可能性であって、大事なのは「ツール統合によって、何を成し遂げたいか?」、その目的です。

当たり前・・・でしたね。笑

基本は、ツール統合によって、可視化、標準化を進め、KPIを評価し、継続的改善を推進する。そして施策を実行することによって、効率化や生産性向上を図ることで、品質向上もしくはコスト削減を実現するという目的が多いのではないかと思います。

もし、上記ストーリー(Why)の実現を目指すのだとすると、まずやるべきことは何で実現するか(How)の前に、何を管理すべきか?(What)を定義することです。

それは、言い換えると、データモデル(管理すべき項目)の定義です。

データモデルが標準化されていれば、ツールは統合されていなくても、連携するでもOKです。もしレポートやダッシュボードを統合したいのであれば、その機能のみを開発すればOKです。

実はITSMについては、標準データモデルを考えるためのリファレンスアーキテクチャがあります。これをIT4ITと言います。

例えばインシデント管理だと、以下のような属性が定義されています。

Id: Unique identifier for the Incident record.
Category: The category aids in determining assignment and prioritization.
SubCategory: The second level of categorization, following Category.
Status: The current stage in the lifecycle of an Incident.
StatusTime: Time stamp for the Status attribute.
Severity: Severity of the Incident.
Priority: Priority of fixing the Incident.
Title: Title of the Incident.
Description: Description of the Incident.
AssignedTo: Group or person that is assigned to fix the Incident.
ActualServiceId: Related CI(s).


これ以外にも他プロセスとの関係性やKPIなども定義されていますので、IT4ITを参考にしながら管理項目の設計を検討することができます。

ただ、メジャーなITSMツールは基本的にIT4ITを標準として取り込んでいるので、実は実務的にはあまり意識する必要はありませんが、例えばグローバル統合などを思考する場合は、こういったスタンダートと言われているものを強く意識したほうが、コミュニケーションがより円滑に進みます。

いずれにせよ、最終的には直接的、間接的、それぞれで成果として得られる効果(つまりはROI)で統合ツールを使うかどうか判断されることになりますが、ツール統合あり気ではなく、データモデルを定義するところから始めることをお勧めします。

#目的は多岐に渡るため、本日は1つのケースをご紹介しています。その点はご了承ください。

本日は以上です。ありがとうございました。

参考)


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