遣り方
子供の頃から
いつも
他の人を眺めては
自然を感じとっていた
目の前の対象
人物像には
性格的な悪さはない
悪さをするのは
生物的なもの
単なる
子供だという事情
大人の概念は
出会う前から
実際に解るもの
初めてのような
不思議な感覚に
自分の至らなさ
弱さを
感情的ではなく
感覚として
痛感するだけで
僕の魂は
昨日も貫通した
鼓膜を撃ち抜かれたという感覚
瞳の奧
ただ
置かれただけの臆病さにも
自分だけの
特有な個性
独特な孤独は在った
それは
名前のない症例だった
誰にも
理解されることのない
他の者だという認識
罪がなかったとして
この世界に
僕を
水と一緒に
口に含んだだけの
逃れることのできぬ
有益な苦さを
砂糖にも似た甘みで覆った
錠剤の成分を
子供の僕は
何も知らない
生きる怖さは
別の誰かに壊されなくても
恐さになるから
毎日、気をつけないと
感情と優しさ
誰かに
想いを寄せることは
無駄になった
事件は
もう一度
確実に起きた
翌朝、目が醒めても