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Rhincodon(じんべえ)

故に

僕が

鳥に
生まれなかった理由

その
ヒトツ目の理由

僕はここにいる


たしかに
存在してる
この価値よりも

画用紙に
染み込むように
濃紺のインクとなって

一滴目の
冷たい雫で
僕の視線の先が
滲むのよりも
ほんの少し先に

ひと足、お先に

心の端っこではなく
精神の隅っこを筒いてく

小学生がコーラの空き缶
軽く蹴飛ばしたみたいに

中に入った
ザラっとした
砂漠の液体に
自分の
ウシロメタサを重ねて

やっぱり
チョイ違ったと
昨夜の通話で
話さなかった内容

君が知らない僕のことを

たとえば
醜かった
どんなに
それが見難かったとしても

落ち込む前に
凹んでしまう前に
ペコペコになった
戻せなくなった気持ちを

不完全さを
ともなうような
君側の優しさ

体の柔軟さに
ピッタリと
重ね合わせるように

その場で
人目も気にしないで
たった今
力一杯に抱きしめた

『ちょっと』
『嬉しいけど』
『イタイ』

君の叫び聲が
街中に響き渡った

真夜中は
ツナマヨ
おにぎりの宙芯

それは
僕側の
缶違いだった

君がスキなの
コカ・コーラじゃなくて
ドクター・ペッパーだった

『ワスレテタ』
『ウッカリ・シテタ』

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