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吾輩

誰かには
理解されたくない
青白く醒めた感覚

歪みと曲がりを
積み重ねるように
ただ底に置く

幾層にも
重ねては
重ねては
草臥れたのは掌

日は沈まずとも
陽は暮れる

もういいよと
姿の見えない
名前を呼んだ先にも

遠くなる記憶にも
生活の緩さにも

理由は
理は
由は
在るなら

存在感となるなら
君が傍に居なくとも
静かな部屋にだけ

静寂の中
内側にも
鼓動は響く

響くならと
呼吸をやめようと
試したのは
その生緩さではなく

罪を憎んだ
神童たちに
赦されはしなくても
また心は緩くなる

右から左へと
緩やかに
罪の意識は
流れされていく

海水
塩水
潮水
すべての生物が
塩分を摂るように

自然が
私の傍にも
吾という影響

受けたものを
授かりものを
丁寧に手渡す
彼ように

心優しくなる

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