見出し画像

One Carat

キライでも

どんなに
自分ではないような
自分だとは
思いたくはない
自分の背中を

たとえば
君が愛してくれたとしても

そのこと
昔のこと
自分の方からは
話したがらなかった僕に

諭すでもなく
赦すでもなく
任すでもなく

全く違う話を
していたんだけど
なぜか
何故だか
辿り着いてしまった


二人にだけ
観ることのできた
ココロの景色は
美しいよりも
ホントの美しさを

君と僕が
出会う前
別々に
違う場所、ところで
想像したもの

二つの
イメージが
ピタリと
重なるのではなく
フィットするのでもなく

ただ
ただ
心地よい
気持ちのいい

優しさと柔らかさ
穏やかな暗闇の中を
時が過ぎていくのを

僕と君は
見つめているだけ
時が通り過ぎていく

感覚と感覚の間を
埋めるように
泥水がスポンジに
染み込むように

コーヒー・ゼリー状の
溶ろけ切った
繊維質の細くて、長い
ちょっと
クスグったい想いを

懐かしいように
懐かしむように

別に
なにも
今は
気にしなくても
気にはならなくて

不思議な
時間と時刻が
だんだんと
側(そば)に近づいてくる

それを
僕らは
楽しみに待っている

コワガリな僕が
怖くないのは
ミライを
恐れなくても
不安にならなかったのは

君という
たった一つの
カケラのような
見違えたもの
見間違えたはずの
暗闇のなかに

1個だけ見つけた
確かなもの
ヒトスジの光

孤独な
生き物として
生まれた
自分への
贈り物を

飾りのついていない
君を抱きしめた瞬間
僕は手に入れた

なにもないように見えた君は
僕が欲しいと想ったもの

たった一つに
凝縮された
愛の結晶

小割れることのない宝石
新しい生命となった

生きた証を
君は
僕に
与えてくれた

喜び
嬉しさしか
今はもう
残ってはいない

自分の
素直さに
気持ちの柔らかさ
優しさが
追いつけなかったとしても

もう
君が濁るような
悲しみは
哀しみは

その色を
君のコドクを
僕はスキになったから
そして、
君もきっとスキになるから
心配しなくても

今、幸せだと
充たされた気持ち
満たされた心

後悔は
もう必要がなくなった
未練はなくなった

忘れ物は何もない
何処にも
向かう必要がない

僕が
君を

迎えに来たから

大丈夫
独りでも
ヒトは
イマを生きていける

その様に
ワタシは
造られました

あなたにも
核心の物語(はなし)を
喜んで戴けたなら、幸いです

キライ
じゃなくて、よかった

アナタガ
ワタシノコト
イマモ
カワラズ
スキデ
イテクレテ

『本当に良かった』

いいなと思ったら応援しよう!